芸術に拍手

全記事ネタバレ祭り。レポと感想と妄想が大渋滞起こしてる。

魍魎の匣

 

魍魎の匣

2019.

6.21-30 天王洲 銀河劇場

7.4-7 AiiA 2.5 Theater Kobe

https://www.nelke.co.jp/stage/mouryou/

 

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※結末ネタバレあり

 

 

6.21 J列上手にて

 

 

銀劇久しぶりに入った。綺麗で好きな劇場だけど、2時間でも尻が死ぬ。

 

元々、京極夏彦作家買いしてて、舞台はものすごく楽しみにしてた。観劇前に原作読み返したかったけど、普段電車内で読書する人間に読み返す時間はなかった。鈍器は持ち運べない。

他のメディアミックスは見たことなかったし、あの量を舞台でやるの?上演時間5時間くらい?って感じだったんだけど、いやよく2時間でやりましたね。*1

まさに"忙しい人のための魍魎の匣"だけど、抑えるとこ抑えてまとまってたし(観ながら原作のストーリー思い出した)、雰囲気も良くて面白かった。ミステリーなので静の場面が多いのは仕方ない。原作未読の方は、原作の京極堂蘊蓄祭りも見てほしい。

 

かなり感動したのが、劇場の使い方。

まず舞台セットが素敵だった。高い天井に白い箱だらけで、ある意味近未来感あるのに、M0では歌謡曲が流れてるミスマッチ具合が不気味。セットのギミックが多彩で面白かったし、超大型セットが奥にもあって、お金かかってるなぁーという。あまりも巨大だし(普通に舞台の背景まるごと1つ)、舞台そのものが基本会話劇で静かだから、セットを動かす時のものであろうゴロゴロとした音が、J列でもハッキリ聞こえてしまうのがちょっと残念。

美馬坂研究所そのものが人間の人体機能を担う匣であり、京極堂たち全員が人間の匣の中にいて「人間の臓器を機械に置き換えると、ちょうど三階建てくらいの建造物になる」と明かされたとき、客席に開演前に近い光量の明かりが点いた。舞台上からではない、普段有り得ない明るさなものだから、ふと天井を見たらゾッとした。銀河劇場は三階席まである、三階建ての建造物だった。劇場が舞台セットであり匣である、この仕掛けによる肌寒さは、現地でしか味わえないのではないかと思う。また終演後にアイアシアター神戸の座席表を調べたら、あそこも三階席がある劇場だった。何故陰陽師に縁ある京都かつ雰囲気も良い京都劇場でやらないんだろうと思っていたけど、アイア神戸じゃなきゃ駄目だったのかもしれない。

舞台の枠、プロセニアムアーチも"匣"になっていたの、単純に良いデザインだなぁと思っていたんだけど、これが"魍魎の境界"で、ラストシーンではじめて雨宮だけが、この境界を越えて来たんだよな……あれ…"境界の外側"って………………………客席……………………。

 

原作がミステリー小説だけあって、台詞量も凄まじかった。しかも論理的な台詞ばかりで、感情の推移で自然と出るものじゃなさそうだから、よくこれ覚えられるなぁと思わずにはいられない。元より難しい言葉も多いが、適宜背景に投影してくれてるからさほど混乱はしなかった。文学の部分を、背景に投影するの良かったなぁ。この演出で、原作の小説読んでた時のこと思い出した。

ちょいちょい笑えるところもあって良かったんだけど、まぁ正直一番面白かったのは、「親戚全部が死に絶えでもしたかのような仏頂」が「親戚全部が死に絶えでもしたかのような背中」に変更されてたことですかね。キャスト発表の段階で、"橘ケンチ御大の顔面"と"仏頂面"の親和性について散々検証した結果、「1ミリも想像できない」に落ち着いたけど、やっぱそこ演出サイドも「仏頂面というには厳しい」という見解だったのかしら。演技じゃなくて、根本的造形がな…。

 

 

キャストについて。よくよく見たらめっちゃ松崎組だった。少ししか出ない役でも一人一役でつけてきたのお金かかってる(2回目)。

京極堂は、色々と強すぎた。もうめっちゃ強かった。まずあの京極堂は物理的に犯人をぶっ飛ばせる。何言ってるか分からないと思うが、タチバナ!!!!ドォン!!!!!!!ケンチッッッッ!!!!!!ドゴォッッッッ!!!!!!!!!!!!みたいな圧を感じた。陽のケがある中禅寺秋彦。ほんとに出不精ですか??と思うくらいには生命エネルギーに満ちてる。韻踏むとき、なんか突然スモーク出て火花散ったりレーザー光線が踊ったりしないかドキドキした。あとほんとに顔が良かった。顔面の圧が最高だった。京極堂を見にきた身としては、やはりあの黒い羽織りと手甲の姿に大興奮してしまう。

わたし原作だと中禅寺兄妹と榎木津礼二郎推しなんですが、敦子ちゃんがほんと可愛くて100億点満点。出番少ないのが悲しい。敦子ちゃんの出番あと5倍欲しい。可愛い。開演前注意事項アナ、やたら可愛いなと思ってたら敦子ちゃん役の坂井さんだった。割と敦子ちゃん可愛ければだいたいOKみたいな感覚だったから大満足です。

榎木津礼二郎は身体の80%くらいは脚だったな…。コルセット衣装も相まって、脚が長すぎて気が狂うかと思った。なのに、半分くらいころころしてて可愛かった。きみは癒し。ところでわたし、北園涼氏を心霊探偵八雲でしか見ていないので、彼のことをミステリー俳優だと誤認してしまう。

柚木加菜子役の井上さん、なんとなくググッたらガチ14歳で驚いた。14歳ってあんな洗練されるもんなの?私なんて泥の中から今さっき掘り起こされたばかりの芋みたいな14歳だったというのに。カテコで加菜子ちゃんいないな、誰か二役でやってたのかな、と思ってたんだけど、21時までしか出られないからそういうこと…?? 

大御所の皆々様はさすがとしか言い様がないけど、魍魎初日の前日に結婚発表した吉川さんの久保竣公、怪演であった。菊馬もめちゃくちゃ上手かったけど、役者凄いなーと思う。

そういえば舞台魍魎の匣京極堂シリーズ初見の人って、関口巽が、中禅寺秋彦とW主人公級のキャラクターだったこと分かるのかな…。割とふんわりして可愛らしい関口くんだったから、突然の情緒不安定で、だ、だいじょうぶ?ってなってしまう。

 

 

 

京極作品て魍魎の匣がやたらメディアミックスされてるけど、そろそろ他のにも手を出してくれないかなと思っている。榎木津主人公か敦子ちゃん主人公の百鬼夜行シリーズ見たいよ~。

 

 

それにしても、京極先生のフラスタが一番闇のオーラあったな。どういう注文したらこうなるんだ。

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★★★

*1:初日はトリプルカテコ含めて2時間8分くらいだった。2時間15分だった気がしたが、随分巻いたな?