『心霊探偵八雲 裁きの塔』
2017/
5/31〜6/11 品川exシアター
6/16〜18 大阪ビジネスパーク
裁かれるのは誰だ?
大学内にそびえ立つ時計塔には、かねてから妙な噂があった―。
時計塔に隠された謎を解け―。
塔の最上部には大きな姿見が置かれている。
その鏡は、黄泉の国と通じていて、十二時にその鏡の前に立つと、
亡者と再会することができるのだという―。
ただ、その噂を確かめられた者はいない。
なぜなら、亡者との再会を果たした者は、黄泉の国に連れていかれるからだ―。
「時計塔の亡霊に、ぼくはあの作品を書かされたんです―。」
ある1冊の小説を巡り、運命の歯車が動き出す。
そんな中、大学内の時計塔で殺人事件が発生。
晴香が容疑者として捕らえられ、自供してしまう。
時計塔の亡霊とは……?小説に隠された秘密とは―?
そして、裁きを受けるのは誰なのか。八雲は真実を導きだせるのか―。
公式HP:
http://www.nelke.co.jp/stage/yakumo2017/
6/2 Aブロック1列目
6/11 Dブロック5列目 にて
八雲は原作未読です。なので原作がどういう構成なのか分かりません。すみません。
ただ、くぼひでさんが主演になってから何だかんだ観ていて、今回も推しが出たので観劇3作目です。
円形と聞いてたので青山円形劇場みたいな感じかと思いきや、実質BCブロックがセンターの半円って感じ。一回くらい正面で見たかった。
シアターexも初めて来ましたが、フラットでこれ後方席キツい。
演出が相変わらず美しい。OPでの吊られたテープなど、抽象芸術のようなセットがミステリー小説っぽくて良い。ライティングも好きです。
ストーリーは最後に一気に畳む感じ。あれは客側もとい読者が途中推理できるものなのでしょうか。キーワードが微細すぎて至難の業、というかラストの解説2回聞いて頑張って考えたけど、鳥頭の私はどうもすっきりできませんでした。
最後まで犯人分からない面白さはあったけど、鳥頭なりにガツガツ自分で考えたいタイプなので根本的に合ってないのかもしれない。文句言う前に原作読めって話ですね。
しかし初見で相当気になったのが、「晴香ちゃんがそんなことするはずがない」系の台詞が多すぎたことかな…。二回目は不思議とそうでもなかった。
後藤さん自体は普通に好きなんですけど、今回あまりに感情論で押し切ろうとしてるのがちょっとイラっとしてしまった。
でも後藤さんの「今を信じる」の信念があったからこそ八雲くんが立ち直ったし、あの行動力がなかったら晴香を連れてこられなかったんですよね。
石井さん相変わらずめっちゃ好き。可愛い。
石井さんの存在が全体の空気を良い感じに掻き回してくれている感じがする。石井さん劇場いつまでも見ていられる。
「何でお前が謝るんだ」「………なんででしょお?」のくだりと、「ぶってきしょうこ~~!」が好き。東京楽で物的証拠連呼された小野寺さん笑っちゃってて可愛かった。
そして今回の個人的MVPは小野寺さんですね。最初から「おっこれは絶対"実は…"タイプや」と思ってたけど、案の定後半で好きになった。
恩田西澤桜井の尋問シーンは静かにカッコよかった。あと頭でっかちじゃなくてきっちり格闘戦でも勝てるのが良い。地味にオシャレさんなも良い。ドツボ。
ただしどう見ても石井さんの同期ではないでしょ絶対後藤さんの同期でしょ。
アフトで「下の名前募集します〜個人的には"まもる"だと思ってます」て言ってたけど、「小野寺 桂司」になったようで。まもるも良いと思うよ。
もう全然関係ないんですが、髪型と眉間の皺の具合が某兵長っぽいな、と進撃アニメ2期やってる今だからこその感想。
恩田先生、すっごい聞き覚えある声だと思ったら、XからはじまるそのままXさんじゃないですか。
ラストのお芝居が素晴らしかったです。
声といえば、土方役の樋口さんの声がとっても綺麗で聞きやすくて素晴らしいですね。ずっと聞いていられる。
アンサンブルの森田さんは去年の秋頃に拝見してましたが「自由の女神みたいな顔」とか「ふっくらした羽賀研二」とか言われてて笑った。イケメンですわ。
瀬尾が後藤石井から事情聴取された後、Aブロック側から捌けるシーンがあるんですけど、完全に舞台降りてライトも当たっていないところで、瀬尾が小さく舌打ちしたのには震えた。
あそこAブロ前方の人しか聞こえてないのでは?うわこいつ絶対犯人やと思ったら案の定。ある意味ネタバレだけどAブロのお得感凄かったです。
しかし田中さんはテニミュぶりでしたが、近くで見ると足が長すぎスタイル良すぎで本当に同じ星の生き物なのだろうか。
桜井くんも良かったです。繊細だった。ラストシーンでの告白は少し鳥肌立ちました。
にしても水石さん、上手くなったなぁと思います。こもり気味の声質なのか、肉声舞台だと聞きづらいので、もうちょっと声が通るようになればなぁ。
加恋ちゃんはなんとなくアニメの人だなぁと感じます。全く下手とかじゃなくて、演技がちょっと周りから浮いてるような…。なおセラフの時は世界観が思っくそ2次元だったからすごく良かった。
申し訳ないことに、晴香がそもそも若干苦手系ヒロインなのでバイアスかかってるかも。
冒頭の通り、リニューアル版舞台しか見てないので、斉藤八雲は私の中でくぼひでさんのイメージしかなくて。見納めかと思うとちょい寂しいですね。
後藤さんとの応酬が好き。
突然の「信じても裏切られる」とか、やっぱりシリーズ読んだ方がいいな?と思うところちらほらありました。というか今回前半の八雲氏は八雲氏の過去話あってこその混乱ぶりなのではないかとすら。
ファンタジーとはいえ基本言葉による論理展開で、アクションも少ない推理小説を舞台にするのはなかなか難しいよなぁと常々思っていますが、ここまで美しく仕上げられる舞台八雲シリーズ、良かったです。
とりあえずほんとに小野寺さんがめっちゃ好き。
★★★