芸術に拍手

全記事ネタバレ祭り。レポと感想と妄想が大渋滞起こしてる。

【映像】文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞

 

『文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞』

2019.12.27-29  森ノ宮ピロティホール

2020.1.8-13 品川プリンスホテル ステラボール

文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。
侵蝕者との戦いは新しい仲間も加わりながらも続いていた。
そんなある日、有島武郎の作品『カインの末裔』が侵蝕される。
有島武郎と同じ白樺派である志賀直哉武者小路実篤は、
仲間の作品を救うべく潜書するが――

http://bunal-butai.com/2nd/

 

 

2020.2.9 千秋楽夜公演配信 にて

 

 

 

前回に引き続き配信視聴。前回の初演は吉谷さん演出がきっかけの視聴だったけど、今回は「文劇の続編」が気になっての視聴。

いい加減原作を…と思ってアプリDLしたものの、本当にソシャゲ続けられない芸人なので全く出来なかった。唯一分かったのは、M0がゲームのメニュー曲なのね。cv.竹本英史のキャラが出たらまたやります…。

 

やはり文劇面白い。良かった。好きなのは初演かなーと思うけど、今回も充分良かった。(初演はOP「光ノ先へ」の曲調と歌詞と、演出としての使い方が好きすぎた)  伝えたいことはめっちゃくちゃ分かりやすくて、何も考えなくても理解出来るけど、考えようとすれば演出意図から心情変化などを紐解けるような、考察の余地があるのは凄いなと思う。まあ具体的にどこがどうとかは、自分は一回しか観てなくて表層しか語れないので、文劇を見てください。

 

配信だからしょうがないんだけど多分映すべきはココじゃない、みたいなカメラワークも多かったし、吉谷演出はブルズの動きやセットの動きなど、画角広めで観た方が面白いと思うからやっぱ現地だなぁ。ブルズの青緑?のヘアセットとかカッコ良いよね。

今回の潜書対象は『カインの末裔』『友情』『暗夜行路』。カインの末裔だけ青空文庫にあったから*1読んでみたけど、ほんとに「暗くてじめじめしてる」ね。関係ないけどこういう媒体がきっかけで元の文学や文豪にも興味を持てるような連鎖反応が私は好きだ。文豪本人wikiを斜め読みするだけでも面白い。

 

中盤でチラッと触れられチラッと実物が横切った自転車が伏線になってるとか予想外。ラスト、本の中から戻れないーってなった時の、突然の志賀と武者(ぐりとぐらみたいだな)のゆるゆる寸劇は、私たちは何を見せられているんだってこういうことでは。友情…というか友愛…?が重い…。「志賀がいればそこがもう理想郷なのかもしれないね」ってなに?恋愛とは、結婚とは何かについて考えさせられる(大真面目です)。

本の世界崩壊するーという最後の山場なのに謎の緊迫感の薄いわちゃわちゃとかもね。文字降ってくるとこからBGMにOP曲使うのもずるい。オタクそういうの大好きだからさ。

文劇1もそんな雰囲気感じたんだけど、文劇ってなんかラストシーンが緩いというか面白いというか。全く誰も死にそうにないよね。そこが良いなと思う。ラストシーン前は杉江さんとかバチバチに泣いてるし多分客も泣いてる。

 

くぼひでさんの芥川さんが好きなんですけど今回も最高に美し可愛くて映る度に嬉しかった。現地にいたら定点してしまうかもしれん。

手足So long安吾ちゃんは今回もあんこう鍋作ったりインクの匂い嗅ぎ分けたり、絶妙な役回りぶりだったけどこの人の「メインにならなそう」感は何だろう。いや失礼な言い方なんですけど、でっかいお兄さんが横でゆるゆるしてるのが立ち位置としてすごく「分かる」んだよな。今回の白樺派とか、そういう括りでメイン張ることになるなら、無頼派は太宰さん主役の一作目でやっちゃってるしな。

 

千秋楽での第三段告知演出最高。原作、文豪めっちゃいるからいくらでも続けられそう。アニメも始まるし、盛り上がるといいな。

 

 

 

 

★★★

*1:志賀さんと武者さんが青空文庫のような形で読めるようになるのは2040年台以降