芸術に拍手

全記事ネタバレ祭り。レポと感想と妄想が大渋滞起こしてる。

【映像】文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱

 

『文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱』

2022.

2.3-13  東京 シアター1010

2.18-20  大阪 森ノ宮ピロティホール

 

文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。尾崎一門が奇跡的な再会を果たし、皆それぞれが懐かしさに浸る中、どこか戸惑いを隠せない様子の徳田秋声

ある日、徳田の師である尾崎紅葉の作品『金色夜叉』が突如侵蝕される事態が起こる。太宰治らの協力のもと無事作品に潜書し、侵蝕者にとどめを刺そうとするが――

https://bunal-butai.com/4th/

 

 

2022.8.14  Blu-ray にて

 

 

 

 

文劇3で終わりかと思ってたから、またやってくれて嬉しい。そしてまた映像ですまん……ちょうど新テニミュセカステと期間どっ被りしてたり、何やかんや忙しくて当時配信も見られず……。「一回も見てないけど文劇ならおもろいやろ!」と円盤ポチッていたので、忘れた頃に届きました。ヤッター!

しかし文劇5記念の4日連続文劇無料一気放送を8/11からやっていたが、8/3に発売の文劇4も無料配信しちゃうなんて太っ腹。どうせ私の環境だとカクつくから円盤買って正解だったけど。

私事ですが私も8月頭にコロナにやられて少年社中のクアンタムを観に行けなくなりまして。家庭内感染で秒で一家全滅したので、常に人が動く舞台関係、マジで開幕するだけでもすごいと思った。この文劇4も半分の公演が中止になって…。途中で太宰にブルズがいじられるところ「吉田!」って言われてたけど、今回ブルズに吉田くんいたっけ?と思ってたら大阪公演で仲田くん、田中くん、安久くんが、吉田邑樹くん、轟大輝くん、松崎友洸くんに変更になっていたのね。ここ無料配信だと大阪大楽の配信なのか、お休みの子も含むブルズ全員の名前呼んで「今までありがとう!そして全員消えろ!」で草だった。

 

無料一気放送で文劇1~3を通しで見て、改めて三部作としての完成度高すぎてこの後どうすんの?と思ってたけど、いやーーー安定して面白かった。なるせ脚本吉谷演出が裏切らなさすぎて、いっそいつ裏切られるかとビクビクしてしまうまである。

今まで文劇は映像演出ほぼなかったと思うんだけど今回バリバリ使ってきたね。ゲーム未プレイ勢なんだけど、文字が吸い上げられる表現はゲームのそれ、らしいっすね。攻撃の表現に使うのはなんだかちょっと笑ってしまうので微妙かなあ。逆に太宰の催眠術での使い方は馬鹿馬鹿しくて良かった。あと映像で時間稼ぐと「おっ着替えだな!」と否が応でも察してしまうので、あそこはブルズのマイム表現と録音のが、まだお察し感はマイルドだったかも。

舞台セットにあまり高低差がなくて、高いところ大好きマンとしてはもう一段高台は欲しかった。芥川先生が一番高いところにいたな(出てない)。

 

今回の潜書対象は、尾崎紅葉の「金色夜叉」と泉鏡花の「婦系図」。金色夜叉って未完の作品だったんだ……婦系図って金色夜叉に似てるんか……へー……また一つ賢くなってしまった……。

文劇4、理性的というか常識的な人多くね?太宰だけ、自発的に暴れるから良いスパイスだし、秋声覚醒のためのキーマンとしても際立ってて良かった。しかもあの太宰に今作のテーマであろう「自分の真実を貫き通すこと」を教えられるなんて……太宰の成長著しくて戸惑うわ……。

随所随所に秋声の洞察力が分かる台詞やシーンがあって、でも闇の声の正体に口を噤んでしまうところもあって。話としての筋が通ってて良いんだよな。秋声覚醒シーンに説得力がある。

太宰と秋声が互いに決定的な影響を与え合うの良いな~。秋声「信じてない」太宰「信じてる」のやり取りと、秋声「戦ってるよ」太宰「戦ってない」のやり取りが逆転構図で対になってるのも、脚本うめ~ってなった。

太宰のニューおべべ、カッコよくてとても良い!ソシャゲだから確かに覚醒衣装とかあるよね。意外とゲーム原作の舞台でも衣装チェンジすること少ないから、そういう概念忘れてたし驚いた。そして太宰が先に覚醒することで秋声の覚醒の印象が薄くなるかと思いきや全然そんなことなくて、演出うめ~ってなった。主題歌と一緒に覚醒衣装チェンジするのアツすぎる!!秋声の新しい衣装、布がパリッとしてて素敵!!

相変わらず主題歌も良すぎるのよ。主題歌CD欲しさに円盤予約したもんね(一度も聞いてなかったのに)。歌唱ROU / 作曲tak / 作詞吉谷晃太朗の裏切らなさもすごいよ。ちょっとくらい裏切ってくれないと不安になるわ。そしてやっぱり歌詞が天才すぎて写経したい。「苦しみ抜いて生み出した我が子だからこそ 光に包ませたい」って全創作者に刺さるやろ。こんな優しいワードあるかい。「吉谷晃太朗のマチソワタイム」って連載*1でもめちゃくちゃ詩的でエモに溢れた文章を綴られており。吉谷さん、文豪でしたか?

公式が載せてくれた歌詞カード載せときますね。

 

太宰に1の記憶があって、国木田に2の記憶があって、里見が転生後の有島と面識があることに驚いた。時系列的に、3→(記憶リセット)→1→2→4ってこと?

転生後に絶筆してもまた転生することは3のラストで分かってたけど、よくよく考えたらそれっていつまで続くんだろう……ってなるなってこと、今作の秋声の「こんな感じでずっと続くのかな」って台詞で気付いちゃったよね。なんかちょっとエグいな。

 

金色夜叉潜書後、春夫先生の「秋声さんももっとアピールすればいいのに」に対する秋声の「え?」が本当にどうでも良かった感じで、ここも太宰の言う「戦ってない」に掛かるんだろうなと思いつつ、秋声めっちゃ良い人だな……って思った。尾崎紅葉賞のくだりもすごくフラットに「いや別に(いらない)」って言うの、すごく……素直で欲がなくて良い人だな……。捻クレ者と称されてるあたり、達観して始終冷めてる系かと思いきや、婦系図のあらすじ紹介の時はノリが良いし、好きだな……。

赤澤遼太郎さんはおそらく初めて見たんだけど(いやおそ松の舞台で見たかもしれん)、すっっっごい綺麗な顔してんのな。2.5映えしすぎる。泣き顔まで美しいのは2次元からおいでなすってるのよ。ゲームの立ち絵しか見とらんがとりあえず秋声めっちゃ似合ってるってことは分かる。すげー弓道が似合う。ほんとに顔が良すぎてずっと見ていられる。そんで演技も良いからビビる。「戦ってるよ」のところめちゃくちゃ良かった。世の中の不平等に泣いちゃうから、是非お歌はあまり上手くないとかであってほしい。あっでもダメだ、wikiみたらモリミュ出てんじゃん、そんなん上手いじゃん。

ひらりょのだざちゃんの安心感ヤバい。実家か?前述の通り、今作では一人だけ異色の子になっている印象を受けるのだが、このテンションを浴びないと文劇見た気になれんとすら思うくらい好き。とはいえ私の中では太宰は平野良さんとしても異色の部類に入るので、稀に"ヒール 平野良"の声色が出てくると、ああ平野良だなあと思う。あと歌上手いのは知ってるんだけど一度もまともに聞いたことがない筆頭なんだよね。もうモリミュを見ろ。

尾崎一門は美形じゃないと入門できないとかあります?いやみんなイケメンなんだけど、タイプがあるじゃないすか。羽織がオソロなの可愛いね。文アルは衣装で大体どこのモンか分かるのが良いですね。ただ尾崎紅葉泉鏡花がパッと見似てて一瞬で判別できなかったりする。ちゃんたまは古風な喋り方と人外っぽいの似合いすぎ。センターの高い位置にいらっしゃるラスボスであってくれと思ったら見事にラスボス(仮)だったから喜んだ。泉の山﨑さんは薄ミュぶり。この人も泣きの演技上手いな……。立ち絵だと可愛い系なんで印象は違うけど、文劇だけ見てる身としては全く違和感はない。

春夫てんてー今回もめっちゃカッコよかった。春夫ニキの門弟夢女になった。要約して説明するのが上手いニキ。黒のスキニーパンツに太腿ベルトは何度見ても良すぎる。小南くん、推しとの合同イベントで素の状態拝見したことあるんだけど、オモシロおにいちゃんで超良かったんだよね。そりゃあ納得のフォロワー約15万人っすよ。

独歩は乱歩に近い役割だった印象。"ぽ"仲間だけに(?)  実際こういうジャーナリスト系のキャラってストーリーの解説もまとめもできるから貴重な人材ですよ。弓撃つ時に目細めるお顔がカッコよ…ってなった。OPのソロシーンだけ弓の"矢"が出てくる。このシーンのためだけに!?

川端康成は、元ネタというか文豪ご本人の顔の印象強すぎるんだよな。白髪の印象あるからそこは合ってるのですが。武器が槍なのめっちゃ良い。正木さん取り回しが上手い。円盤に付いてた冊子の人物相関図、太宰→川端が「刺す」の一言だけで笑った。刺す。そうも思った。大悪党だと思った。

澤邊寧央くんは文劇初演でブルズだったよね。やっぱダンスうま。顔かわいっ。白樺派かな?と思ったら白樺派だったので武者、志賀、有島と並んでるところ見たい。

ブルズもほんとすごいよね。仕事量多すぎん?っていつも思う。特に大阪から急遽入った3人すごすぎ。

 

 

大楽カテコ後の、文劇5発表演出めっちゃ良かった。カテコ後に突然お芝居始まるの、現実からギュンと引き戻される感じがして大好き。

文劇5は絶対生で観るんだ……。

 

 

 

 

 

★★★