『RE:VOLVER』
2018.
10.18-22 東京 シアター1010
10.27-28 大阪 サンケイホールブリーゼ
巨大な「城塞」に囲まれた都市『霞宮(カミヤ)』。そこはかつて外国船でやってきた海賊の英雄に与えられた都市国家。しかし帝国への独立戦争の敗北によって、その後市民たちは戦犯扱いとなり、城塞都市はさながら高い壁の監獄と化した。貧民街に暮らす少年、聖木(スズキ)は、日々盗みをしながら生きてきた。ある時、通りがかった男から盗んだバッグの中に、城塞の設計図を見つける。聖木は兄と慕う阿羅来(アラキ)、親友の伊透らと共に『都市海賊』を名乗り、都市からの脱出を試みる。しかし、少年たちの夢はもろくも崩れ去り、その後バラバラに生きていくことになる。時は過ぎ、聖木は盗賊として生きていた。ある時、聖木は刑事となったかつての仲間、伊透(イトウ)と対峙する。帝国軍と革命軍の戦いが始まろうとする中、城塞に囲まれたその都市で、彼らは再び集まり少年時代の夢に向かい始める。
http://revolver-stage.com/1st/
10.18 10列センター
10.19夜 19列下手
にて
主題歌がROUさんなのを会場で知ってめちゃくちゃ笑ったし普通に円盤の購買意欲湧いちゃった。
いつも通り投稿日時詐称してるので、円盤見た後の自分で書いてます。
RE:VOLVER布教したい。
吉谷光太郎さんのオリジナルと聞いて、興味しかなかった。
略称は「ボルステ」。きっと漫画REBORNの舞台化があと半年遅かったら、略称は違ってただろう。
2018年下半期は色々私生活で出費が嵩んだから多ステ控えてたんだけど、ボルステに関しては何故2公演しか取らなかった?とかなり後悔した。私にはもう、別件で大阪に行く友人に追いブロマイドの代行頼むことしかできなかった。
RE:VOLVERは、2回以上見てほしい。
初見でも良かったなー楽しかったなーと思ったけど、正直わたしは2回目からどハマった。
1回でも充分面白い。ただ、全体像を把握した後に見ると分かる、たった2時間15分でやる世界とは思えない量の設定。伏線たる伏線が多すぎる。わたし伏線回収には厳しい伏線警察なんだけど、「あの話回収されてないんですけど!?」とは不思議とならない、絶妙な塩梅の情報がサラッと敷かれてるのね。
かつ吉谷ズム全開で、時系列が違うシーンの台詞が交互に出るかと思いきや、同時系列・別の場所のシーンの台詞も交互に出たりと、理解するのがかなり難しい*1。それで伏線台詞やシーンのリフレインもしてくれるのは丁寧なんだけど、苦手な人は苦手かも。話難しくね…?と思ってたけどバクステで植ちゃんさんが「複雑な話」と言っていたので安心した。
これ続編やるつもりで書いてるとしか思えない。2回目見たあと考察捗りすぎて、平日仕事にならなかったよ。
簡易キャラ紹介
HP見るのが面倒な人のための簡単なキャラ紹介(敬称略)。ちなみに都市海賊全員12年前の時点で14~15歳くらいらしい。つまり今は26~27歳…?
聖木(スズキ)/植田圭輔:
盗賊。主人公。なのでばっちりセンターかと思いきや微妙にセンターではなかった。熱血バカかと思いきや結構頭脳派だった。
伊透(イトウ)/橋本祥平:
刑事。堅物。デカタブツ。トンファー使い。ワケあって12年後、都市海賊組と敵対。特に聖木と。
玄汰(クロダ)/山田ジェームス武:
スパイで革命軍リーダー。二刀流でクールな厨二病で実は〇〇〇〇り。色々とキャラ設定が多すぎて癖が強い。壬浦の幼馴染。
壬浦(ミウラ)/櫻井圭登:
探偵。可愛い枠。ただし聖木伊透よりデカい。ちょっと古め(婉曲)の言い回しをする。玄汰の幼馴染。
阿羅来(アラキ)/安西慎太郎:
帝国軍人。アラキさん。お茶目、だった。みんなのリーダー、だった。
↑ここまで都市海賊
鷹城(タカギ)/磯貝龍虎:
刑事2。伊透をぶん殴るバイオレンス系上司。トンファー使い。ギャグを封印されたりゅこさん。
抹尹(マツイ)/川隅美慎:
革命軍サブリーダー。玄汰さん大好き。厨二心を擽る分割型長槍を使う。
倭潮(ワシオ)/成松慶彦:
帝国軍人2。どう考えても歳上だけど阿羅来さんの部下で、阿羅来さんと髪色が似ている。
策間(サクマ)/山岸拓生:
情報屋。おっちゃん。壬浦は俺が育てた。
衣澄(イズミ)/タイソン大屋:
バーテンダー。性別を超越したママ。
以下普通にネタバレしてます。
名前考
名前の当て字が凄まじいわけだけど、漢字にすらいちいち意味を考えてしまう。あと全員日本では名字に当たる名前しかないのも何でだろうね。子孫に対して名前を継ぐ文化とかあるのかな。
聖木はそのまま聖なる木。そして「聖」は「知徳が高く崇められる人」の意味。リーダーっぽい。
対する伊透なんだが、「伊」って「杖を使って神を呼び寄せる"聖職者"」の意味だそうな……うわ…親友……。
霞宮内では、囲まれた海すら見られないほど水に縁がないのに、玄汰や壬浦にさんずいが入ってるのが面白い。「玄」は「赤黒い、天の色」「奥深い、遠い」とかで「汰」は「大波」。玄汰のイメージカラーは青だけど、赤い旗を掲げるのを考えると赤黒いの意味もちょい熱。
「壬」は「みずのえ(五行の水)」「自由」。壬浦の性質らしい。ちなみに「へつらう」の意味もある。
阿羅来は難しいんだけどまず字面から阿修羅が浮かんだ。阿修羅が来る。各漢字で気になった意味としては、「阿」は「意志を曲げて人に従う」、「羅」は「並べ連ねる」。
まあ色々考えるけど、考えるほど抹尹は「沫」じゃないことにも違和感あるし、実際そこまで意味はないかもだから全部末尾に「知らんけど」を付けたい。さんずい組は〇〇出身、とかの規則性があれば別なんだが、玄汰、壬浦、倭潮、衣澄の共通点分からん。あと聖木と伊透は由来が簡単に西洋変換できるのに、他三人はがっつり東洋由来なのも地味に気になった。知らんけど。
作品モチーフ考
ブロマイドや歌詞に「林檎」が入ってるあたり、まあ暗喩表現として真っ先に浮かぶのは「旧約聖書 創世記」ですよね。かつ帝国の殲滅方法が完全に大洪水な辺りほぼ確実にここモチーフにしているんでしょう。ノアの方舟は都市中央の船。異なるのは、ノアは洪水を起こした者に従って生き残るための方舟を造ったわけではないこと。
旧約聖書モチーフなら天界と地上の話でもあるはずだと思うんだけど、帝国=天界、貧民街=地上、が順当だよなあ。では、天界から地上に降りてきて、天界に戻った阿羅来さんは?堕天使?(大真面目)
でも「霞宮(カミヤ)」も当て字をし直すと「神家」になるから、霞宮という監獄都市全体が天界と捉えるべきか。少なくとも舟に乗って霞宮から脱出することは、監視下にあった者達が新しく命を得ることであるような気がする。
聖木については、上記の通り仕組まれた当て字だと思いこんでるけど、聖書で聖なる木とされるのは生命の樹。そんで聖木は英雄(反逆者)の子孫。ストーリー上で、聖木が必ずしも「反逆者の子孫」である必要はないよなと思っていたが、聖木が新生都市海賊のリーダーであるためにはこの設定も必要なのかもしれない。
ランダムブロマイドで、阿羅来→聖木、壬浦→玄汰がペアで知恵の象徴である林檎を分け与えてるのにザワザワする。そこ伊透だけ一人なのもザワザワする。聖木じゃないんか……。与える方は、阿羅来は分かるけど、幼馴染組は壬浦なんだな…っていう。
普通の感想
「壁に囲まれた街」という設定で真っ先に進撃のほんにゃら思い出した人、続出したと思う。初見の時、その設定群大丈夫!?とちょっと心配になりました。
吉谷さん演出で、意外と映像多用してたことに驚いた。映像で風景を見せることで世界観の視覚的共有ができるわけで、この辺りがちょうど小説と映画の中間地点だなと思う。映像もハイクオリティで良かった。壁への叩きつけられエフェクトまでやるとは思わなかったけど。いやすごい威力やん、攻撃力が少年ジャ〇プやん。
阿羅来さん、非常に表情が見えにくい髪型なのは意図的なんだろうか。
阿羅来さんは記憶無くしてたわけじゃなくてそういうフリをしていただけだけど、その状態でかつての仲間全員抹消する創世記計画の開始スイッチを押せる精神力。必ず聖木たちが城塞に乗り込んでくると確信してたから?自ら墓地に出向いて「革命軍を止めろ」と忠告したことと矛盾する感じするんだけど、それを伝えるのは本当は誰でも良かったんじゃなくてちゃんと聖木に会いに行って、聖木に自分が生きていることを見せつけて、必ず来るようにしたってことかしら。ちょっとあと3回くらい見ないと分かんない。
「むしろ、来るのが遅せぇんだよ」という阿羅来さんの台詞が何度も出てくるんだけど、最初と最後で同じ台詞以上の意味が理解しきれなかった。いやそれ以上の意味はないかもしれないんだけど。意味深すぎない?私の考察力と共感力が足りない。
あと聖木の「死んだの確認してない」台詞はフラグ。*2
阿羅来さんのくだり然り、出来事と感情の遷移的なところがマジで難しい。
伊透と鷹城が親子なのも一体。因縁ってなんだっけ。え、親子?パワハラどころか+DVやんけ。この親子ってことは聖木父を殺したのは伊透父ってことになるけど、そこ別に揉めてないよね。重いけど。しかしその重さのためだけの設定?そんなことある?あれ倭潮が殺したの誰だっけ?疑惑を消したのが鷹城だけど罪をおっ被ったわけじゃないはずだよな…ここもあと3回くらい見ないと分からん……。
しかし髪色だけ見ると阿羅来と倭潮のが親子っぽいけど、帝国ってみんなああなるの。
創世記計画決行の日は現実の日付とリンクしてたのは熱かった(円盤では大楽だから10月28日)。
玄汰が一人やたらと設定盛り盛りなんだよな。厨二病、二刀流、革命軍リーダー、最高の虹彩、引きこもり、挙句の果てには隻眼。玄汰の引きこもり駄々こねは、円盤の特典映像のやつが爆笑だったンゴ。抹尹に引きこもり3大禁句を言われた時、ヒンッてなる瞬間にフードがスポンと入った公演があってほんと可愛かった。
壬浦の語彙力と武器がダサめなのは、誰の趣味でしょうか。ブーメランとか1980年代感じる。ブーメラン、映像と小道具まであるのに一回しか出てこない。マジか。
最初、海のない世界で突然出てくる「都市海賊」という単語自体に違和感があった。でも海賊って海という外の世界の存在なわけで、聖木たちの憧れの塊なんだろうな。なおかつ貧民街で盗賊やってることをそのまま海に置き換えたのが海賊であって、「賊」であることに誇りがあるような感じもする。男って、いつまでもワルに憧れるのかね。ちょいワルオヤジ流行ったもんな(?)
磯貝のりゅこさんが吉谷さんのこと好きすぎるなと思います。てか割とみんな好きだよね。吉谷さん演出作品のバクステ見てて、こんなに「みんな知ってるでしょ」とばかりに名前(と本人)出てくる演出家もなかなかいないわ。私も好きです。
そういえばアンダーに梅津瑞樹さんがいて驚いた。いや刀剣観てないから全然分からないけど。
早く続編やらないかなーーー!!!
★★★★