芸術に拍手

全記事ネタバレ祭り。レポと感想と妄想が大渋滞起こしてる。

小さな結婚式~いつか、いい風は吹く~ 2019

 

『小さな結婚式 ~いつか、いい風は吹く~』2019

2019.

5.5-6     大阪ビジネスパーク円形ホール

5.15-19 全労済ホール/スペース・ゼロ

 

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5.18昼  4列目下手にて

 

 

 

価値観が合わなかった。ただ価値観が合わなかったと思いたい。

話の趣旨に関係ないところだと、酒が飲めない人を「つまらない人」と言う人、他人の体型を弄って笑いにする人、既婚者だと知るやいなや人として最低の態度をとる人、ギャグ(?)いえど二次会で男掴まえることしか考えてない女たち、etc.。携帯が折りたたみ式であることから恐らく2010年以前の話で、ある程度古い価値観の世界なのだなと割り切ろうとしても、物語そのものがその時代である必要はまったくなかったから、ひたすら共感できず、思考回路が別のところで動いていた。なんか、随所随所で「ああこれが脚本家の思考回路なんだな」と思ってしまった。

ただ泣いてる人もいたし何度も再演している舞台のようですから、これはNot for meなんだと思いたい。

 

ブライダル会社に入った女の子の話。ストーリーの中で結婚式を挙げるのは主人公を除き2組。結婚式を挙げられていない姉のためにバイト代のみの低予算で式をしたい妹、妊娠して親にも結婚を認められていないが結婚式がしたいカップル。話がえらく混線するので、こんなに例必要なの?と思ったら、協力会社の過去の実話が含まれています…ということで、ある意味納得した。でも観客はそんなこと知らないけどね。

前者は、48,000円でできる式を考える、と。ここ多分やけに数字が具体的だから実話なんじゃないでしょうか。それにしてもあれだけの社員を動かす人件費考えたら100%赤字だよなとか思ってしまったのがひとつ。どう考えても時間外労働してるし社員はボランティアなのか?と思ってしまったのもひとつ。こんな大事なものをサプライズにしてほしくないって人もいるしな…とか余計なこと考えてしまったのもひとつ。溜まりゆくモヤモヤポイント。

そして後者のデキ婚のカップルに、本当にイライラしてしまった。タイムリーに某俳優のデキ婚の話で色々考えてたから(…)、あまりの価値観の合わなさに驚いた。親への報告すら自分でまともにできない、子供も産まれる予定がある、今はほぼフリーター、今もお金はない、でも結婚式はしたいって、どんな甘えかと思ってしまった。結婚許してもらえないなら心中しようとか言ってるのにはギャグテイストにしてるけどぶん殴りたくなった。お父さんに同情せざるをえない。「真剣に考えてたら、結婚前に子供はつくらない」という台詞に、ほんまそれーーーーーっっっっと叫びたくなってしまった。*1  というかブライダル会社はわざわざ親に出席するよう説得に行くものなのか。それは本当に仕事なのか。その分の給料もらってる?よく分からない。私なら自分から来ない腑抜けになおキレる。何度も家に来られるお父さんに同情せざるをえない。

あとは母の容態悪化って言ってるのに結婚がどうとか言ってる場合じゃなくないかとりあえず病院行けやとか、ウエディングカメラマンなのにストロボもないミラーレス(多分)カメラ一台で務まんのか!?とか、ドレスアップした女の子たちを地面に膝つかせるな…だとか、こまっかーいところまで気になってしまった。いやほんと写真撮影で、スカートで素足か肌色ストッキングで綺麗に着飾った女の子たちに膝つかせるのはないわ。価値観の相違。他にもものすごくイラついたのが昔主人公を虐めてた女が会社にいて、謝って友達からやり直そうってシーン。あれ必要だったか?過去の虐めを謝ったら許されると思ってるのは虐めた側だけじゃない?どんだけ頭お花畑なんだよって思ってしまう。全く本筋に必要ないシーンだったから余計に虐め加害者の自己満足シーンに見えて非常に気持ち悪かった。

まぁそんな小さなモヤモヤ大きなイライラが積み重なって、どのシーンでも素直に良いとは思えなくなり、本題を受け止めようとする姿勢が消えてしまった自覚はある。そこは反省している。

ただ休憩があることにびっくりして時間見たら既に1時間40分やってて、割と帰りたいなと思ってしまった。そして絶対上演時間3時間10分もかかる内容じゃないだろとは思っている。

 

良かったところを挙げるとすると、風くん(水石さん)のオチとか女の子が可愛かったこととかかしら。橘杏ちゃんはKIZUNA、音楽劇ヨルハの2回見てるんだけどやっぱり可愛かったし上手かった。

あと矢尾さん宛のお花メンツに感動した。(他にも名だたる方々のいっぱいあった)

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不思議なもので現代舞台のストレート演劇で、2.5次元異世界舞台の話より「人間が人間に見えない」ことがよくあるんですよね。思考回路がシンプルで記号的なキャラクターに対する違和感が、今私たちが生きて感じている世界だからこそ強く出てしまうんだろうか。いやでもちゃんと人間が人間である舞台もあるからな…何言ってんだろうわたし…。

これはギャグシーンだから、これはコメディだから、だからこうなんだ、といくら自分に言い聞かせても、理解できないものは理解できないんだと思う。Not for meいえど、この舞台上の価値観が"普通"なのだとしたら私は随分生きにくいなぁ。

 

 

 

 

*1:これは全然関係ない話だけど、結婚制度は変わってないのにデキ婚への偏見(?)が緩和される世間の流れに理解が追いつきません。