『99才まで生きたあかんぼう』
2018.
2.22-3.4 東京 よみうり大手町ホール
3.6-7 愛知 名古屋市芸術創造センター
3.20 福岡 福岡市民会館大ホール
3.24 大阪 梅田芸術劇場 シアタードラマシティ
笑顔の両親のもとに、
泣いて生まれてきたあかんぼう。
いじめを知り、人を欺くことを
覚えてしまったあかんぼう。
泣き、喜び、悩み、ひたむきに
生きることを学んだあかんぼう。
幸福に気づき、成功を収め、
人生に翻弄され、挫折を知ったあかんぼう。
99才まで生き、
笑いながらわたしのところへやってくる
あかんぼうの、人生劇場。
2.28夜 5列目下手にて
まず、よみうり大手町ホールが綺麗すぎてビビる。
二階席がないのに天井がものすごく高い。椅子にテーブルがついてる。音響めちゃくちゃ良さそう。(良かった)
テレビの息がかかってないとここは借りられないな…と感じた。
柔らかい舞台でした。
無機質なカウンター、暖かい木目の積み木のような舞台セット。
衣装は1人につき原色2色以上は使われず、あくまでもナチュラル。
ある「あかんぼう」の人生のダイジェスト的な話。
どういう人生になるのか、どんなことが起こるのか、どんな最後になるのか、が全く見えないのがまさに「運命の蓋が開けられていない」人生を観ているようだった。
前アナでコメディと謳ってるだけあって笑う箇所も多かった。
でも人生の中でいじめがあったり戦争が起きたり人が死んだりする。大きな喜びも大きな悲しみもある人生。
カウンターが自分の年齢に近くなるとそわそわした。自分がこういう形で人生を振り返られるとしたら、どのタイミングでカウンターをまわす鐘が鳴るだろう。
「ぼうや」は同じ人間ながら、時には別人のように腐ったり奮起したり傲慢になったり謙虚になったり。
「ぼうや」は本当のあかんぼうから、父になり祖父になり曽祖父になり…と立場がどんどん変わっていく。けど人生を語る黒服の「誰か」たち(パンフレットには「神」とある)にはずっと「あかんぼう」と呼ばれる。
「あかんぼう」とは状態を表す言葉であり、主人公の名前のようでもあった。別人のようになりながらもやっぱり最初から最後まで同じ「あかんぼう」という人間。
「誰か」が、「あかんぼうよ、よく生きた」と言う。生きることは、頑張って、初めて成し得ることなんだと思う。
キャストを全員把握しないままだったので、カテコで本当に6人しか出てこなかったのには驚いた。とにかくキャラチェンジや出捌けが激しい。一人8役くらいはやっている。
皆さん本当にお上手な方々なので、このキャラチェンジの多さでもがっつり演じ分けてくるんですよね。
12歳くらいまでは「ママと僕たち」より厳しいバブ…と思ってたけど、村井さんの年の重ね方とか圧巻でした。本当に老人だった。
玉城さんのママとか松田さんのママとかすごくプロママだしとりあえず女装が可愛すぎてもう無理。私は女の人生やめる。
共感できなかったのは、一度浮気した人間を許したところですかね。ここは原作者の「理想」が垣間見えて萎えた。
子供がいるのに浮気する人間は最強のクズだし、浮気するような人間は正直、何度でも浮気するもんだと思ってる。
「人は誰もが泣いて生まれてくる」
最後は笑っていたいと思う。
★★★