2021.
6.6-22 東京 新国立劇場 中劇場
6.26-27 大阪 クールジャパンパーク WWホール
京都の大学で同じクラブの先輩と後輩。
先輩は後輩の「黒髪の乙女」に恋をする。
そして「ナカメ作戦」を決行!「先輩、奇遇ですね」
「たまたま通りかかったものだから」
そう、ナカメ作戦とは
「なるべく かのじょの 目に留まるようにする作戦」のこと。しかし「黒髪の乙女」は先輩の想いに気づかず、
先輩の一方的な片想い。ある時クラブOBの結婚式があり、
お祝いの席に2人も参加する。
「黒髪の乙女」は飲み足りず夜の先斗町に繰り出し、
先輩も後を追うが見失ってしまう。
この後、2人は様々な場所で様々な人々や不思議で奇妙な出来事に遭遇する。そんな不思議で奇妙な一夜を先輩と過ごし
「黒髪の乙女」の心にも少しずつ変化が起きてー
https://www.yoruhamijikashi.jp/index.html
6.16 12列上手 にて
新国立劇場中ホールなんて2014年の里見八犬伝以来じゃないか。見やすくて良かった。ただ椅子の背もたれの傾斜が若干キツくて、尻が痛くてたまらんかった。付属の座布団、背中に敷くべきだったか。
客層はぱっと見る限り男性6割女性4割ってとこか。通路挟んだ前方席は完全に乃木坂先行って感じ(先行実施状況知らんけど)。あと開演前に客席で読書してる人の割合が普段より多かった気がする。
大好きな小説の舞台化で、ものっっっすごく楽しみにしてた。私小説原作のメディアミックスって、あまり見ないんですよね。小説を読んだ時の、自分の脳内イメージを大事にしたいから。しかし舞台は別でして。舞台も半分は想像で補うような世界だから大丈夫でして。アトリエダンカンでやってた、詭弁・走れメロスや有頂天家族は面白かったな。夜は短しも今までも舞台化されてたはずだけど、私が観劇ハマる前だったから観られてなかった。今回は森見先生が懇意にしてる上田誠さんが脚本演出なんて期待しかない。
開演前はスクリーンに桜の散る映像。メサイア*1を思い出す私。休憩中は紅葉が散る映像。時系列が分かりやすくてなるほどと思った。
端的に、面白かった!!3時間1度もダレることなく、尻が痛いこと以外集中して観られた。(とにかく尻が痛い) 小説を最後に読んだのは随分前なのに、小説の内容を次々思い出せる。全四章を余すところなくやりきった、濃密濃縮な良い舞台だった。ラ・タ・タ・タムの表現とか、可愛いの。素直に「可愛い」と思える演出が多くて幸せになれる。なむなむ。
台詞がもう森見節そのままで、やはり森見登美彦特有の言葉が好きだなと思った。盛大に雄大な語彙が、誇張しがちなオタクの身に馴染む。そしてラップというか、韻踏んだ語りと森見作品の相性が良すぎる。音楽も合ってて良かった。
映像演出も多々あり。映像による文字的2次元と舞台的3次元の境界が曖昧になるこの文学作品特有の感覚、好きだな。*2 映像多様しているとはいえ、三階建電車は大幕を用いたアナログ。韋駄天コタツもアナログ。むやみやたらに映像で手抜きしてる感じでは全くなく、バランスが上手いなと思った次第。特にラストシーンの夜明けの場面では、京都の街並みをVRに近いくらい没入感ある大スクリーンで見せつつ、最後の朝日だけは映像無しでライティングで表現されていたのがすごく良かった。感動したなぁ。
一章完、な時にクレジット流したの笑った。あそこで終わっても全然違和感ないのよね。小説1冊分、3時間で全部やったの凄いわ。
キャスト感想。
もう白石隼也さんの事務局長がかっこいいのよ。別に性格的にはかっこいいキャラじゃないのに、顔と服装とスタイルの良さでかっこよくなっちゃってるのよ。女装の局長、最初出てきた時普通に「やたら美脚な女性出てきたな…こんな背の高い女性キャストいたっけ…?」と思った。8秒くらい。マジ美脚。
古本市の神様の少年の、小説は繋がっている~の長台詞が凄まじかった。基本、台詞には森見節の難解単語が多発してたけどその中でも特に凄かった。紹介された小説いくつあるんだ?優に10は超えてたと思う。
「奈緒子さん」一筋の青年(名前失念)も面白かった。テレビ出演と最後の一言(?)的な「奈緒子さん!」は笑う。
李白の竹中直人さんの癖が強い。面白いわ歌上手いわで存在感が半端ない。ハマり役だった。
カテコで、自然とマスクの下が笑顔になってる自分がいた。お金と時間に余裕あったら2回は観たかったな。
今更だけど黒髪の乙女って、二浪でもしてない限り普通に未成年やな。
★★★★