『五右衛門マジック』
2019.10.10-20 CBGKシブゲキ!!
ただの詐欺師と盗人がこの町を変えるんだよ。自分を偽り、あの時代を蘇らせるんだ!
時は戦国時代。 世に名を轟かす、二人のエンターテイナーが居た。 ひとりは幻術士、果心居士。そしてもう一人は天下の大泥棒、石川五右衛門。 五右衛門は重税に苦しむ町民のため、豊臣秀吉の暗殺を試みるも果心居士の策により、死罪。 だが、秀吉にその幻術の腕を恐れられた果心居士は、命を狙われて姿を消したー。
時は過ぎ、二人のエンターテイナーが消えた世界。 秀吉の治世に苦しむ人々は、更なる娯楽を求めていた。
とある見世物通り。 端正な姿ながらもどこか胡散臭さのある奇術師、佐治が路上パフォーマンスをしている。 そこへ、秀吉の片腕である智将・石田三成の部下、前田玄以と平賀源大が盗人を追って町へと駆け込んでくる。追われているのは方々で盗みを働く小平太と、その仲間、鼠。
捕まる寸でのところを佐治の奇術に助けられた小平太は、「自分と一緒に組んで一番のエンターテイナーになろう!」と佐治に誘われる。 佐治の提案は、“石川五右衛門”と名乗り、民衆の求めている活気あった時代に戻すべく、“救世主”として生きることだった。 二人は悪人から金品を盗んでは町民にばら撒き、着実にその名を上げていくが、当代随一のエンターテイナー出雲阿国には遠く及ばない。
阿国の人気を越えられず行き詰まる中、次のターゲットが決まる。 “国家機密”。ここから“情報”を奪う計画が始まるがー。
10.11 D列センブロ上手寄り にて
脚本・演出:磯貝龍乎
プロデュース:吉谷光太郎
音楽:ROU
主催:ポリゴンマジック
この並びを見たら行くしかなかった。プロデューサーって大抵映画のエンドロールの最後あたりに書かれると思うんだけどめっちゃアピールしてくるじゃん……まんまとノッたけど……。
台風で公演中止やキャスト変更等、大波乱の公演でさぞや大変だったろう……私の観劇日が台風直撃直前だった。そして自分がこの日体調崩してたのもあって、途中記憶があやふやで変なこと書くかもしれない、ごめんなさい。
初日6日前にアンサンブルで杉浦勇一さんが追加され、アンサンブル増員とか突然そんな変更ある?と思ったけど、成程、分業。ヘルニアで降板された戸谷さんに代わり山口大地さんがキャスティングされたけど、役の石川五右衛門(小平太)がかなり動く役だった。そこで五右衛門"ビーストモード"として、殺陣部分は杉浦さんにお任せするのは、上手いなと思いました。最早アンサンブルではなく普通に五右衛門(ビーストモード)役だけど、ネタバレ的に公表できなかったかな。
記憶あやふやとか土下座級のこと書いといてアレなんですけど、端的に言って、面白かったです。何で円盤にならないんだと思うけど舞台って円盤になる方が珍しいんだよね……2.5に甘えてごめん……。
ROUご担当の劇中曲が全体的にオシャレ。CD出してほしい(強欲)。
殺陣も多くて見応えあった。てかビーストモードの杉浦さん、あの殺陣量を5日足らずで覚えたの凄いな…。
舞台セットもよく動くんだけど、この動かし方に少し吉谷節を感じてしまう。ブルズの動かし方も。
ギャグに関しては「これ書いた本人(磯貝さん)がやったらもっと面白いんだろうな…」と思ってしまうところはちょいちょいあった。りゅこさん自身が天才的なげいにn…エンターテイナーだと思ってるので、その影が見える。ある意味、本人の得意分野は、本人だから出来ることなのかもしれない。カテコに見せかけてまだカテコじゃない演出とか、めっちゃりゅこさんらしいなーと思った(しめっちゃ笑った)。まあ、勿論日替わり(っぽいとこ)もあったし、レポ見てると千穐楽に向かうほどとち狂った笑いがあったみたいだからなんとも言えない。
和田さんを観るのはダイステ以来2年ぶり。やっぱり顔が良い。演技力あるのは知ってるから、佐治のキャラの"ブレ"に違和感があった。飄々として余裕綽々で賢い人かと思えば突然小物になったり。最後の佐治=五右衛門のくだりまで観たらこの違和感に納得した。これがマジック。話が込み入ってるように見えたけど、実際「人の名前という表層」に惑わされてるだけかもしれない。本当の石川五右衛門は「誰か」ではなく「何か」。それはある意味、人間ではなかった。
そういえば小野健斗さんのスタイルが良過ぎてもーすごかった。ロングコートすごい。
新規で気になったのは平賀役の松井健太さん。ほんっっっ………………とうに顔が可愛くてなぁ……役も生意気でキャンキャンしてて可愛くてなぁ……。久しぶりに顔に釣られて追ってしまった。またどこかで拝見したいものです。
ラストのどんでん返しに次ぐどんでん返しを知った上で、もう一回くらい観たかった。評判良かったのに、円盤…ないんだよねぇ…。
★★★