芸術に拍手

全記事ネタバレ祭り。レポと感想と妄想が大渋滞起こしてる。

ミュージカル黒執事 Tango on the Compania

 

『ミュージカル 黒執事 Tango on the Compania』

2017.12.31-2018.1.14  東京 赤坂ACTシアター

1.19-22 兵庫 神戸国際会館こくさいホール

1.26-28 愛知 江南市民文化会館

2.3-4     石川 本多の森ホール

2.10-12 福岡 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

 

19世紀の英国。
セバスチャン・ミカエリスは、名門貴族ファントムハイヴ家に仕える万能の執事。
しかし、その正体は、13歳の当主シエル・ファントムハイヴと契約した“悪魔”だった。
女王の密命を受け暗躍する“悪の貴族”シエルと共に、裏社会の事件を闇で片付けている。
契約が完了する最期の日まで――。

ある日、「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは、その真相を探るうちに「医学による人類の完全救済」を掲げる秘密結社・暁(アウローラ)学会の存在にたどり着く。
二人は調査のため、暁(アウローラ)学会の集会が開かれるという豪華客船『カンパニア号』に乗り込むが…。
華やかなはずの処女航海に隠された真実が、いま解き明かされる。

公式HP:http://www.namashitsuji.jp/sp/index.html

 

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 1.13夜 U列上手にて

 

 

豪華客船編、映画と近い時期にやるの熱いですね。

東京終盤でチケットとりましたが、これは金欠ゆえの、あえてのリピート防止のためです。生執事は必ずまた行きたくなってしまうのです。

 

楽日でもないのにかなりの数の立ち見が出てて驚いた。

TDCの半分以下のキャパだもんなぁ。ACTシアター好きなので、戻ってきてくれて嬉しかったけどね。

しかし今回なんだかものすごく台詞聞き取りづらかった。特に歌詞。普段かなり聞きやすいゆんセバの台詞ですら一部怪しい。ACTの音響悪くないと思ってたし、耳触りは良かったんだけど、何でだろう?

 

開演前は船の汽笛。これは予想してたけど、良い。わくわくする。

そして開演時間少し前頃にサーカス編と同じくアバハンコント……と思いきや、そのまま開演のお芝居に入ったので驚いた。物語開始がスムーズすぎて、現実の世界と黒執事の世界が融けて地続きになってるような錯覚。

 

 

今回脚本も演出も変わりましたが、今までの生執事らしさを踏襲してる感じあった。
キャッチーなテーマソングとセバスのハイトーンは必修科目なので、ちゃんと組み込まれてて良かった。

以前より歌で会話するのが多い気がして、よりミュージカルっぽい印象。
ただ随所随所サラッとやりすぎてる部分があったのか?若干物足りなさは感じた。

セバスやグレル、踊れる人達のダンスナンバーがアンサンブル以外なかったからかなぁ。今回のダンス、可愛いものが多かった気がする。

あとダストから脱出する時のシエルとリジーのシーンとか、色々足りない。

何より気になったのは映像演出が多すぎることでしょうか。血飛沫とかミュージカルパートの背景とか。

舞台って、観客の想像力もその客自身の感情を動かす主要因だと思ってるので、映像で補完されすぎると気が散ってしまう。

一瞬しか使わないのにグレル乗せるために氷山造ったなら、ビザールドールの大量の棺桶も造ってほしかったな…と思ったり。これはあるのにあれはないの?って思ってしまうから、使用道具の割り切りも必要なのかな……その点プロジェクションマッピングって便利だと思う……。
あ、あと船が割れて傾く演出が分かりにくすぎる。前述の通り台詞聞き取りづらかったから余計に言葉だけの説明じゃ分からなくて、リアンの突然の荷台とかちょっと、いや結構面白くなってしまった…。全て終わった後に船が割れる映像が入ったのも時系列が混乱する。船のポリゴンの重なりも地味に気になってしまった。

 

気になるとこだけガンガン書いてしまったけど、普通に良かったには良かったと思うんですよ。

ただの悪魔と子供、の歌とか可愛かったし。

客席の頭上を赤い大布が舞うのとかびっくりしたしあれはセンターブロック行ってみたかったなぁと思ったし。

てか舞台セットが凄すぎる。

プロセニアムアーチっていうんでしょうか、装飾フレームも素敵。丸い電灯が、客船の灯りみたい。というかフレームセットがある舞台のが珍しい。帝劇くらいでしか見たことないわ。

そして可動式の大台が6つ。6つって。しかも2つくらい三階建て。いや動く大道具で三階建てって。あんな大きい台動かすのにその人数で足りるんか、そのブレーキで足りるんかって思った。凄すぎた。

 衣装も素晴らしい。アンサンブルのドレスも見応えある。物販のリボン、シエルとリジーと同じ布で作られたとかそういう話にはチョロいので買いました。

何回見てもセバス燕尾服のしっぽのドレープが綺麗すぎてガン見してしまう。

 

  

豪華客船編は原作でリジーの話が好きすぎて、リジーが良ければ8割オッケーだと思っている節があり。そもそもゆんセバとたくグレがいる時点でチケット代は回収できてるので、実質こっちの稼ぎ公演です。

 

ジー、めっちゃ良かったです。

最初の演技で、ん?とならないわけでもなかったけど、向こうは「可愛い」のプロなんですよね。

可愛いの。ひたすら可愛い。

「可愛い」で全身を造って、さらに「可愛い」を全身にまとって、それを遠慮なくいやらしさもなく、至極当たり前に全開にできる時点でリジーとして100点満点。

そして1幕のリジー覚醒のシーンはめちゃくちゃ泣いた。

可愛い可愛い言ってるけど私は強いリジーが好きです。

いやーカテコまで可愛かったなー。声も綺麗だし今後も舞台方面に来てくれるといいですね。

 

セバスは相変わらずですよ。脚が長すぎるのよ。回し蹴りのたびに脚に自動フォーカス。

歌とダンスだけでなく、パッと見の全身のスタイルだけで魅せられる役者もレアなので(私がすぐに想像できる人は2人しかいない)ゆんが生執事出られなくなったら後任いなくね?と真面目に危惧しています。

マイク音量1人だけ上げられてるの?と思うほどに歌の圧がすごい。

 

今回は何気に蓮生シエルがMVPかもしれない。

シルエットが美しい。美しい少年期の儚さが詰め込まれた素晴らしいスタイル。

さっきゆんの脚について言及したけど、蓮生くんも脚長い。ヒール履いてるとはいえ、お辞儀した時の腰の位置に驚いた。将来有望です。

こんなに歌上手かったっけなぁ……まっすぐ透き通る歌声に鳥肌立った。

女王謁見の衣装で、大きくなったねぇと思わず近所のおばさんみたくグッときてしまった。セバスの燕尾服引きずる姿もポイント高い。

あとはリジーとの身長差が完璧すぎてスタッフさんに金一封包みたい。

 

葬儀屋和泉さんもカッコよすぎた。ようやくおめめが日の目を見たことに感謝した。

みかてぃーさんはテニミュでずっと拝見してましたが、ロナルドがめっちゃ似合ってて途中みかてぃーだってのを忘れてた。歌めちゃくちゃ上手くなってんな。

グレルは相変わらずダンチで役作りが上手すぎる。

最後、ここ3人とセバスで殺陣やりますが殺陣の間合いが全体的に広くてもう少し頑張ってほしいと思いつつ、鎌もチェーンソーも芝刈り機も脚も、全部リーチが長すぎていやもう危ないからそのへんでいいよ!とも思っている。

葬儀屋の鎌の造形凄すぎん?マジでやりおった…と思った。

 

ミッドフォードはそのまんまだし、「あの子は必ず婚約者を守り抜く」は熱かった。
内海さん学園編も出るよね?出るよね?

アバハンも大変癒しだったけど、今回妙に出番少なく感じたの何でだろう。もっとアバハンを感じたい。

 

あとはアンサンブルの皆様が本当に素晴らしかった。

マギー蘇生のとことか凄すぎたし、ビザールドールとかみんな人間の動きをしていない。

 

 

 

 

やはり生執事、満足度は高いです。

今後も楽しみだなぁ〜。

学園編で松井月杜くん出るのではと割と真面目に思ってる。

 

 

 

 

★★★★