芸術に拍手

全記事ネタバレ祭り。レポと感想と妄想が大渋滞起こしてる。

【映像】文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞

 

『文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞』

2019.12.27-29  森ノ宮ピロティホール

2020.1.8-13 品川プリンスホテル ステラボール

文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。
侵蝕者との戦いは新しい仲間も加わりながらも続いていた。
そんなある日、有島武郎の作品『カインの末裔』が侵蝕される。
有島武郎と同じ白樺派である志賀直哉武者小路実篤は、
仲間の作品を救うべく潜書するが――

http://bunal-butai.com/2nd/

 

 

2020.2.9 千秋楽夜公演配信 にて

 

 

 

前回に引き続き配信視聴。前回の初演は吉谷さん演出がきっかけの視聴だったけど、今回は「文劇の続編」が気になっての視聴。

いい加減原作を…と思ってアプリDLしたものの、本当にソシャゲ続けられない芸人なので全く出来なかった。唯一分かったのは、M0がゲームのメニュー曲なのね。cv.竹本英史のキャラが出たらまたやります…。

 

やはり文劇面白い。良かった。好きなのは初演かなーと思うけど、今回も充分良かった。(初演はOP「光ノ先へ」の曲調と歌詞と、演出としての使い方が好きすぎた)  伝えたいことはめっちゃくちゃ分かりやすくて、何も考えなくても理解出来るけど、考えようとすれば演出意図から心情変化などを紐解けるような、考察の余地があるのは凄いなと思う。まあ具体的にどこがどうとかは、自分は一回しか観てなくて表層しか語れないので、文劇を見てください。

 

配信だからしょうがないんだけど多分映すべきはココじゃない、みたいなカメラワークも多かったし、吉谷演出はブルズの動きやセットの動きなど、画角広めで観た方が面白いと思うからやっぱ現地だなぁ。ブルズの青緑?のヘアセットとかカッコ良いよね。

今回の潜書対象は『カインの末裔』『友情』『暗夜行路』。カインの末裔だけ青空文庫にあったから*1読んでみたけど、ほんとに「暗くてじめじめしてる」ね。関係ないけどこういう媒体がきっかけで元の文学や文豪にも興味を持てるような連鎖反応が私は好きだ。文豪本人wikiを斜め読みするだけでも面白い。

 

中盤でチラッと触れられチラッと実物が横切った自転車が伏線になってるとか予想外。ラスト、本の中から戻れないーってなった時の、突然の志賀と武者(ぐりとぐらみたいだな)のゆるゆる寸劇は、私たちは何を見せられているんだってこういうことでは。友情…というか友愛…?が重い…。「志賀がいればそこがもう理想郷なのかもしれないね」ってなに?恋愛とは、結婚とは何かについて考えさせられる(大真面目です)。

本の世界崩壊するーという最後の山場なのに謎の緊迫感の薄いわちゃわちゃとかもね。文字降ってくるとこからBGMにOP曲使うのもずるい。オタクそういうの大好きだからさ。

文劇1もそんな雰囲気感じたんだけど、文劇ってなんかラストシーンが緩いというか面白いというか。全く誰も死にそうにないよね。そこが良いなと思う。ラストシーン前は杉江さんとかバチバチに泣いてるし多分客も泣いてる。

 

くぼひでさんの芥川さんが好きなんですけど今回も最高に美し可愛くて映る度に嬉しかった。現地にいたら定点してしまうかもしれん。

手足So long安吾ちゃんは今回もあんこう鍋作ったりインクの匂い嗅ぎ分けたり、絶妙な役回りぶりだったけどこの人の「メインにならなそう」感は何だろう。いや失礼な言い方なんですけど、でっかいお兄さんが横でゆるゆるしてるのが立ち位置としてすごく「分かる」んだよな。今回の白樺派とか、そういう括りでメイン張ることになるなら、無頼派は太宰さん主役の一作目でやっちゃってるしな。

 

千秋楽での第三段告知演出最高。原作、文豪めっちゃいるからいくらでも続けられそう。アニメも始まるし、盛り上がるといいな。

 

 

 

 

★★★

*1:志賀さんと武者さんが青空文庫のような形で読めるようになるのは2040年台以降

フランケンシュタイン 2020

 

『ミュージカル フランケンシュタイン2020年版

2020.1.8-1.30 日生劇場

19世紀ヨーロッパ。科学者ビクター・フランケンシュタインが戦場でアンリ・デュプレの命を救ったことで、二人は固い友情で結ばれた。“生命創造”に挑むビクターに感銘を受けたアンリは研究を手伝うが、殺人事件に巻き込まれたビクターを救うため、無実の罪で命を落としてしまう。ビクターはアンリを生き返らせようと、アンリの亡き骸に自らの研究の成果を注ぎ込む。しかし誕生したのは、アンリの記憶を失った“怪物”だった。そして“怪物”は自らのおぞましい姿を恨み、ビクターに復讐を誓うのだった…。

 

1.25夜 2階D列上手 にて

 

Wキャスト:加藤和樹柿澤勇人、小林佑玖、山口陽愛

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再演嬉しすぎ。初演で「とりあえず全オタクは絶対観た方が良い…」と私の中でセンセーション起こしてたフランケンシュタインです。本当にありがとうございます。フランケンシュタイン運営は、公式Twitterが再演を14ヶ月前から元気にカウントダウンしてたり異様にクマ推しだったりお人形遊びしてたりクソコラしてたり*1と、何かと愉快なので好きですね。

 

劇場の女性らの会話が異色だった。私の(オタクしかいない)Twitter見てる気分になった。たまたま聞こえてきた会話がそういうのだっただけかもしれないけど。同様に、初演観た人が初見の人連れてきてるパターンも多い気がした。一幕終わって開口一番「わかった?」と友人に聞いてたの、ニュアンス的に絶対にストーリー等への理解確認じゃない。私にはわかる。

思考を放棄してて失礼な感じするから最近あまりヤバいとかエモいとかいう言葉使わんようにしてるんですけど、フランケンシュタイン、ヤバヤバすぎて、もう言語化できないだよね。初演の方も感想書いてたんですけど、自分で読み返して、よくもまあこんな冷静ぶった文章を書いたなと。というかそもそもいくら書くのに間空いたとはいえ、台詞の8割聞いてなかったのか?って感想で大変恥ずかしい。

 

相変わらず一幕は、何を見せられているんだと思ってしまうビクターとアンリの高濃度の友愛。「どうせあの日君に逢ってなけりゃこの人生なんてなかったのさ」と言うのは分かる。しかし韓国版の元歌詞がどうなのか知らないけど、それ以上にアンリは正に「恋をした」としか思えない。私は本気で恋愛と友情の違いが分からない。あのままアンリが生きていたら、ビクターはジュリアと結婚しなかったんじゃないかって結構思う。

リトルビクターの小林くんが、本当に大きな目をしており本当に可愛かったんだけど、絶対どこかで見たことあると思ったら2019年のレミゼのガブローシュだった。また会ったね…相変わらず凄いね…。

「君の夢の中で」で、アンリが断頭台に向かう動作と歌の力強さが、酷くミスマッチかつギャップに溢れててとても良かった。ここ2018年だとそこまで印象的ではなかったんだけど、今回すごく頭に残っている。最後まで笑顔なのが本当に…。

 

二幕からはビクター周りの人間(ルンゲ、エレン、ジュリア)がただただ可哀想なだけなのが正に呪い。本当に何もしてないのに。裏切ったとはいえジュリアもだいぶ可哀想なんだけど、最悪の結果は怪物アンリに関わったせいだし、コートだけじゃなくて呪いまで創造主から受け継がれてるような。いや、呪いは怪物そのものか。

最後、ビクターが「自分が何をした」と言うけれど、生命創造という神の領域に手を出したか否か以前に、生まれながらに手を出せる力を持ってしまったことが、ある意味可哀想。生まれる時代が違えば変わったかもしれないのに…。本当にフランケンシュタインは執事ルンゲちゃんしか癒しがない。

かっきーさん、ジャックのが圧倒的に輝いてる気がするし素に近いんじゃないかと思ってしまう。ゲス部分は置いといて。

一幕と二幕でちゃんと正装ドレスが全員変わってるの良いよね。ドレス可愛くて、思わずオペラでガン見した。

 

怪物の"復讐"は「大切なものを全て奪うこと」。そしてその復讐が「自分がビクター自身に殺されることで完成する」と、怪物自身が分かっていることの激重愛よ。激重感情でこっちが狂ってしまう。怪物とアンリは、同じ笑顔で二度死ぬんだ。

最後カテコでコートがお揃いになるのが大好きなんですよね。どうして怪物はずっとコート着てたのかなって何度でも考えちゃうよね。

 

関係ないけど、18世紀系演劇(?)ってどうして必ず、酒場のシーンかセクシーなお姉ちゃん達が沢山な娼婦のシーンがあって、悪役夫婦が元気に生き残りがちなんだろう。(e.g.レミゼ、ミスサイゴン、1789) ここの定石の理由が知りたい。

 

今回も初演で観た柿澤加藤ペアだったので、別の組み合わせも観たかった。再再演よろしくお願いします。あと、韓国オリジナル版が観たいなぁ。来日よろしくお願いします。

 

 

 

 

★★★★

モマの火星探検記 2020

『モマの火星探検記』

2020.

1.13-20  東京 サンシャイン劇場

2.1-2      愛知 岡崎市民会館 あおいホール

2.7-11    大阪 サンケイホールブリーゼ

2.15-16  福岡 福岡市民会館

 

モマの物語
宇宙飛行士のモマは、
父との約束を果たすために
人類初の火星探検に挑む。

「人間はどこからきたのか、
なんのために生きているのか」

火星に向かう旅の中でモマは
その意味を考え続けていた。

そんなある日、モマの前に『幽霊』が現れる。

驚きながらも奇妙な出来事を受け入れる中で、
モマは少しずつ人間が生きる意味について
考えていくのであった…。


ユーリの物語
北の国に住む少女ユーリの父親は
宇宙飛行士だった。
彼女が生まれる前に人類初の火星探検に旅立ち、
帰らぬ人となったという。

ユーリは行方不明となった父親に
メッセージを送ろうと、
仲間と小型ロケットを作り始める。

やがて、失敗を繰り返すユーリの前に
一人の『幽霊』が現れる。
幽霊はユーリに問いかける。

「宇宙の境界線はどこにあると思う?」

その姿にどこか懐かしさを感じたユーリは、
幽霊との対話を繰り返しながら、
仲間たちと小型ロケットを完成させる。


果たして、時空を超え、
モマとユーリの思いは交錯するのか――。

http://www.shachu.com/moma2020/

 

 

1.11夜  6列下手 にて

 


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キービジュ好きすぎて両方撮っちゃった。

 

 

6列と書いてるけど実質4列目。そういえばサンシャイン劇場で視界難になったことないな。どこでも視界が確実に確保されてるのは本当に大事。

2017年の時も気になっていたんだけど、どうしても時期的に観に行けなかったから、また再演してくれて本当に有難い。劇場がサンシャイン劇場ってのも良いですね。またやるなら銀河劇場でも良いな。

そして今回のキービジュアルが綺麗と可愛いを兼ね備えてて、ドツボだった。雰囲気好きすぎる。

 

 

所感

2017年観られなかったの本当に後悔しかない!!観たかった!!!悔しい!!!!!

めっっっっっっちゃ良かった!!!

いや本当、久しぶりに観終わった直後から「もう一度観たい」と思える舞台だった。余韻に浸りたすぎて、いっそアフタートーク出ようかな…と思ってしまったくらいには、一人の時間が欲しかった。とにかく、いろんなものが「綺麗」だったなぁ。

 

本物のロケット発射映像だけで泣く人間なので(本編は映像0です)、モマ達のロケット発射カウントダウン演出だけで泣いてた。ジュピターの幽霊のところでボロボロ泣いてた。派手な演出はないけれど、録音機のくだりでおもむろにユーリの父がモマだと分かり始める辺りでもポロポロ泣いたし、ユーリの祖父とユーリが見ていた幽霊が繋がった時もホロホロ泣いた。泣いたところを挙げるとキリがないくらいに泣いてたし、普段泣くにしてもすぐ止まるから、こんなに涙が出てくることに自分で驚いた。

モマは演出が「泣かせよう」としている感じがしないのが良い。分かっちゃうよね、「泣かせよう」とする演出って。泣ける演劇が必ずしも良いとは限らないけど、泣く行為とは、心が動いた結果の最大のアウトプットだと思います。

(泣いた泣いた書いてるけど、笑うとこは本当に笑った。スコープスのショートコントとかおじさんのチキン説得とかモマの再プロポーズとか)

 

一個引っかかったのはアイザック司令官の性別が変わったことで、家族を顧みず宇宙を目指してしまう"冒険気質"の人間の性別が偏ってたことかな。ユーリのお母さんが「どうして"男"ってこうなのかしら」(ニュアンス)と嘆くけど、ここに該当するのが、ユーリの祖父、モマ、そしてユーリ。そのユーリは女の子だけど、「ボクとか言わない、女の子なんだから」と保安官の叔父さんに諭されたり、リボンしてないと女の子だとお父さんに伝わらないと思われてるような、"男勝り"。そして冒険気質に該当しない、宇宙飛行士になりたかったが家族が捨てきれずグランドスタッフになったアイザック司令官は、元々男性キャストだったが今回から女性キャストになったことで、「冒険気質なのは男性」という印象だった。まぁ観劇後ぼんやり考えてたら気付いたことなんだけど。オカルトのこと無視しちゃってるけど。何でアイザックの性別変えたんだろうね。

 

観劇前、少年社中公式Twitter「モマの火星探検記は観る度に感じるものが違う」舞台だということは聞いていたんだけど、本当にその通りだと強く思った*1。後述のアフタートークでも語られていたから皆思うことかもしれない。きっと誰かには刺さるんだろうなと思う、何個もの何種類ものセリフ、シーンがある。何がどう思ったかは、今のところ多すぎて正直言語化できないんだよね。とりあえず「やりたいと思ったことをやればいい」は勇気が出るし、「全部繋がってるんだ」もなんか、生きようってなるから好き。

 

 

演出について

舞台セット、星空とストーンヘンジ(劇中ではストーンサークル)に上手から青い光が射してるのがとても綺麗。ちなみに舞台セットは一切動かない。場面転換しても舞台セットが全く動かないの久しぶりに観たけど、普段より集中できる気がする。

モマ、とにかく光の演出が上手いなと思って。とにかくすごく綺麗なんだよね。これは観てくれとしか言えないんだけど。青いライトって、特に異世界に連れていってくれるような気がする。ライト+透明な球体による宇宙空間演出もすごく良かった。透明な球体(宇宙服の暗喩)が周りのライトを拾って、その反射が球体の模様の一部になるんだよね。宇宙服の頭のガラス面に、色んなものが反射して映りこんでるのを思い出す。

少年社中は毎回オープニングが最高だが、今回も最高すぎた。ダンスカッコよすぎ。群舞中のライティング良すぎ。あと100回観たい。OPだけ少し日本色が強くなるのだけど、"土"の空気が強い日本的演出であっても寒色ライティングも相まってどこか"宙"の空気があり絶妙なアクセントになっていた。掛け声が結局なんて言ってたか分からなかったけど笑  トーザイ?ナンボクじゃないと思うが…。(追記:単純に「トザイトーザイ」らしい。東西声という、歌舞伎やらの開始合図らしいですね。知らなかった。)

 

 

衣装について

キービジュについては上で言及したけど、今回も宣伝用だけとは思えないほどキービジュ衣装が天才的だったし、舞台衣装も天才的だった。少年社中は本当に衣装が良いよ~~~全員の衣装見たくてパンフ買ったもん~~~。

私が2017年モマを見逃したことを嘆いてる理由のひとつに、生駒ユーリの衣装がめちゃくちゃに可愛かったことがある。やっぱりユーリ衣装はトーンが明るい2017年版が好きかな。今回のも可愛かったけどね。

2017年の衣装、他の人たちはどんなのだったのかなと気になって画像探したんだが、いやマイクロスコープの顔見えてるやん!!って笑っちゃった。今回の全身着ぐるみ(?)は役者さんの名前出てる分、かなり衝撃だったので…。しかし脚は身体に収納して座れるし(フォルム可愛い)、腕も伸び縮みするし、何気にマイクロスコープ、ギミック凝ってる。

宇宙飛行士の衣装が、全員が靴まで真っ白になってたのはすごく良かった!宇宙飛行士感と、何より人が多くても「宇宙飛行士メンバー」が一発で分かる。全員全身白だからこそ上半身の違いの細かい部分までより分かって、その違いが見てて楽しかった。靴の「ASI○S」が妙にリアルで、逆に現実と繋がってる感じがして私は好き笑。モマとユーリの「親子」感は2017年のが強く見えるけどね。しばらく親子だと気づかなかったのは私が鈍いせいもあるんだけど多分、2017年の方が気付くの早かったんだろうなぁ。

 

 
キャラについて

生駒さん初めて観たんですけど……ユーリ可愛かったね……ボクっ子の似合うこと似合うこと。ああいう無邪気さって、一歩間違えるとウザくなる臭さがあると思うんだけど全然そんなことない気持ち良い中学生キッズであり、ロケット作りのリーダーだった。

矢崎さんはもう役者として謎の安心感がすご。なんだろうこの安心感。キャラとしては、お父さんだけど若さと危なっかしさのある可愛らしいお父さんだった。しかし「どうして宇宙に行くのか」の質問に答えられないの、多分宇宙飛行士としては圧倒的にアウトなんだけどどうやって人類初の火星探検隊に選ばれたの笑

"おじさん"は愉快なおじさんで面白かった。最初出てきて語り始めた時、暴れ狂ってるからどうしたってなったけど。ユーリとの掛け合いが、幽霊なのにひたすらほのぼのできて楽しかった。こういうアグレッシブ愉快なおじいちゃん良いなぁ。

宇宙飛行士メンバーはそれぞれ衣装と祈り方から国籍が見えるのが面白かったなぁ。調べたら名前の由来が各国の作曲家なんですね。ホルスト→イギリス、ミヨー→フランス、ヴェラ→ブラジル、バルトークハンガリーガーシュウィンアメリカ、タケミツ→日本、かな?

ガーシュウィン、おでこちゃんだし髪長かったから、メサイアで要やってた山崎くんだとしばらく気が付かなかった。いやすんごいダンス上手いし、そんな良い二の腕してたの……??メサイアコート全身隠すから知らなかったよ……うっかり惚れるかと思った……てかスタイル良………ともかくすごいカッコよかった……ビビるわ……。

スコープスが可愛くてほんとに好き。マイクロスコープが何気にお気に入りなんですよね。顔見えないし「ピピッ」しか言(?)わない*2けど、顔見えて口が達者なテレスコープとの対比が明確で、妙な存在感を醸し出していたように思う。録音消去したホルストへのいーけないんだーいけないんだーの歌でホルストに「パカパカすんな!」て言われてたのは笑った。あの手のパカパカ結構響く。

テレスコープ、鈴木勝吾さんすっっげえなって。語彙力死んじゃったけど、すっっっげえなってなった。わたし人間のロボットモーションオタクなんですけど、新しいタイプのロボモーションを見てしまって大層興奮した。形容し難いタメのあるヌルっと感。良いです、ずっと見てたい。鈴木勝吾さん、「ピカレスク◆セブン」のどどセクシーなマクベスの印象が強かったからびっくりしたな…。

 

 

アフタートーク※ニュアンス。

・ゲスト 山川ありそさん

・出演者 生駒里奈さん、赤澤燈さん、諸星翔希さん

正直アフトあるの観劇2時間前くらいに知ったんですけど、個人的に今回ありそさんがキャストにいらっしゃらなかったのが悲しかったので、アフトで見られるの嬉しかった。

初っ端、視界の毛利亘宏さんだけ入ってくるはずが元気に諸星さんも一緒に入ってして「アッまちがえたっ」と引っ込む。一同ツボりすぎてしばらく笑いを引きずる。

感想を聞かれたありそさん「ちょっと嫌なことがあってから来た人、友達に子供が産まれた知らせを聞いてから来た人、オーストラリアの火災のニュースを見てから来た人、生命体が存在する星が見つかったニュースを見てから来た人、(etc.)、全員違うものを感じるはず。みんな何かしら持って帰れるはずだし、自分も今日持って帰る。」
ありそさん「昔より宇宙との距離感が変わった。ここ2年間でも変わってません?イー□ン・マスクの火星移住とか某社長の宇宙旅行のとか、昔より現実味を帯びてる」毛利さん「モマも初演はもっとファンタジーだったよね」

ありそさんの役をやると聞いてどう思った?と毛利さんに聞かれた赤澤さん「えっ…やだ……って(笑」「(笑)ありそさんてやっぱ、独特な雰囲気あるじゃないですか。でも毛利さんにも『分かってるとは思うけどありそさんはありそさんのハカセだから気にしないで自由にやって』と言ってもらえたから気にしないでやれた」(もっとポジティブな結論言ってたはずなんだけどすみません)

共通質問「なにか皆で作ったものの思い出」
毛利さん「某鉄道会社から四坪くらい敷地借りて(そういう時代だった)、秘密基地みたいなの作って舞台作ってた。そしたらその近くで全裸の凍死体が見つかった」(一同ドン引き)
赤澤さん「卒業制作で、皆で木を寄せ集めたオブジェを作ってて、それを乾かしてた。その期間中、使用禁止ボールをどうしてもドッジボールに使いたくて(『そういうボールあるじゃん?』諸星さん『あるある』)、何度も怒られてて、また怒られてたんだけど、怒りのパフォーマンスとしてほうきぶん回してた先生の手からほうきがすっぽ抜けて、そのオブジェに当たって壊れた」「だから物を作る楽しさも壊れる悲しさも知ってる」
生駒さん「中学生の技術の授業中、中学生って剣とか好きじゃないですか(一同『中二病』) 。だから木をひたすら鋭利に削ってニス塗ってて、でそれにニソス様って名前付けて(なんかソスだか付けるのハマってたらしい)、ひたすらニソス様〜ニソス様〜って鋭利に削った木を作って中二病仲間の女の子と二人で遊んでたのがすっごい楽しかった」
諸星さん「高校の文化祭でお化け屋敷作ってる時、寿司屋でバイトしてる友達が突然『出前頼めるから頼もうぜ』って言い出して、隣の空き教室に出前頼んでサボってた。そしたらちょっと怖めの先生が『何やってんだお前ら!』って入ってきて、『…寿司食ってます』て言ったらその先生、ブリ一個食べて帰ってった。いやこの先生……脂のってんな〜って」一同「うまいこと言う…」
ありそさん「高校演劇って気持ちが先行しがちじゃないですか。その先行した気持ちで、次の演劇ラストシーンで川通して(何重にもしたビニールシートに水溜める)その中でザブザブする演出がしたいってなって、で実際公民館だか借りてそれをやろうとした。公演前日に水張って、じゃ明日頑張ろうーってなって次の日来たら、水が一滴もなかった。その水はどこへ行ったかというと……まー床ですよね。水張り直して公演はやった。」毛利さん「現状復帰は大丈夫だったの?」ありそさん「…黙ってるしかなかったですよね」

 

 

 

 

モマの火星探検記は、観る人と世界のその時の状況や環境によって、感じるものや感じることが変わってくる演劇だから、また何度でも観たいと思うし、たくさんの人に観てほしいなぁ。とにかく、観てほしいなぁ。

 

 

 

 

★★★★★

*1:https://twitter.com/shonen_shachu/status/1215640375240429568?s=21

*2:あのピピッて、誰がタイミング操作してるのだろう…

歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭

 

『歳が暮れ・るYO  明治座大合戦祭』

2018.12.28-31 東京 明治座

2019.1.19 大阪 梅田芸術劇場メインホール

 

第一部 芝居「風林火山をす・る」

戦国最強軍団、ここに誕生

武田の嫡男として生まれながらも争うことを嫌い、

平安の世を願い続けてきた武田晴信(後の信玄)。

異形として生まれついた己の境遇を嘆き、

無慈悲な世を恨み続けてきた山本勘助

交わらないはずの二人が手を組んだ時、

武田軍団の伝説の快進撃が始まる。

全国制覇という夢を追いかけた男たちの青春友情浪漫活劇!

第二部 ショー「KAI ROCK FESTIVAL」

戦国の超有名アーティストたちがこの冬、甲斐に集結!

熱いLIVEを繰り広げます。

TONO&KERAI

◇キツツキション

◇GIRIGIRIN

◇SHIKAI

日替わりゲスト

12/28⇒昼:三上真史  夜:鳥越裕貴

12/29⇒昼:原田優一、大山真志  夜:蒼木陣

12/30⇒昼:永田崇人、林剛史

12/31昼⇒昼:山崎大輝 夜:鈴木勝吾

1/19⇒昼:上口耕平 夜:上口耕平

 

12.29昼  2階2列センター にて

 

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るひまの年末舞台は、毎度出演者が多すぎて登場人物やキャストや設定の記憶が薄くなる現象発動すると分かっていたのに間を開けてしまった。記憶が乏しくて本当にすみません。

 

今年も締めはるひまです。ありがとうございます。

2幕で泣くことは分かってたんだけど、1幕で泣くとは思わなかった。2幕もガツガツに泣いた。(泣いた割に感想書くのが遅かったので感想の中身は0)

 

 

佐奈ちゃんの中身は誰より男だと思ってるけど*1、やはり標準装備してるのがあのきゅるんとした顔面なので、晴信みたいな柔らかい役はハマるなぁと思う。

加えて愚直なまでの平和主義。この手のキャラ設定はキャラクター自身の中に矛盾があったり浅はかなところがあってイライラしてしまうのだが、晴信は筋が通ってて好き。ただこの筋通しは勘助と出会ってから育ったわけで…?

諏訪の頼重を殺す描写は、端的に言って凄まじかった。殺さない選択肢がある中で、殺す選択に至ることは、人としても演劇としても、難しいのではないかと思う。

 

勘助の死に方が呆気ない…と思ったの私だけだろうか。いや劇的な演出は特に求めてはいないけど、主演キャラクターにしては、というか。ある意味、他と差がなくて"すべて同じ人間"ではあった。

 

今回のMVPは大藪くんだったな。東京初日の井澤くんの体調不良による代役!と思ったら、大阪でも松本くんの体調不良の代役!で突貫3役やったわけで。特別手当必要でしょ。

 

ただ、なんだかラストは「あれ?これで終わり?」と感じた。謙信と決着つけてないからか?結論は分かるが、どこか不完全燃焼なところがある。

 

 

二部のTONO&KERAIは佐奈ちゃんがりゅちぇやろ……と思ってたけどダークホース永田聖一朗。

GIRIGIRIN、オーバー30の中に突然ぶちこまれた井澤巧麻って感じでウケた。(杉江大志はプロの弟になれる子なのでノーカンとします)

 

 

 

 

★★★

*1:余談だが佐奈宏紀の、自分の顔面が良いことを完全に自覚した言動が死ぬほど好きです。

麒麟にの・る 明治座の変

 

麒麟にの・る 明治座の変』

2019.12.28-31 明治座

 

第一部 芝居

「この世に名君現るとき、麒麟もまた現る」

時は戦国。

武将たちが天下統一を目指して戦を繰り広げた戦乱の世。

残虐非道な第六天魔王織田信長は今日も今日とて戦に明け暮れていた。

一方。令和元年。

動物が好きで歴史オタクの青年が、動物園で突然"きりん"に突進される。

青年が気が付くとそこは―戦国時代だった。何故か擬人化した"きりん"が言う。

「おめでとう。今日からお前は竹中半兵衛だ」

更に"きりん"は言う。

「"きりん"は織田信長を探しています。あ!見つけた信長!」

話を聞かない"きりん"が再び突進したその先にいたのは、明智光秀と名乗る武将だった―

「何故、明智光秀織田信長を討ったのか」トンデモ設定で繰り広げる本能寺の変

第二部 ショー

LMS歌謡祭-第二部 3.5次元舞台-

1年に1度、明治座で行われる、LMS(ルヒマメイジザ)系列の歌の祭典。

今、最高に人気のある3.5次元アーティストが明治座に集結。

  3.5次元とは-

①三次元と四次元の間

②あらゆる世界に乗っかろうとすること、その意志。

③祭シリーズを原作としたキャラクターによる、また別のお話の世界

 

オープニングアクト 安土学園vs朝廷学園「あいつこそが織田ノーマ」

ミュージカル「へ―アンセント」より「天皇の闇が広がる」

エス&ブッダwith ふぉ~る~「ジーザス」

吉法師 ft. ニコニコ水墨画アーティスト「デーモン」

いろは坂48カーブ「天下人マジナリテー」

 

 

12.29夜  1階17列下手 にて

 

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るひまさんありがとう。

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でもお馬鹿。

 

 

 

※いつも通りネタバレ

 

 

初めて花道挟んだ席に座った。

正直前日まで超体調不良だったもので、回復しきらず所々記憶が無くて申し訳ない(インフルではないよ)。考察なんて以ての外のただの短い感想になってしまった。観劇って己のコンディションがめちゃくちゃ大事だなと改めて感じますね…。

特典、今まで通りユニット曲CDだと思ったら違ったの悲しい。流石にギリギリ攻めすぎたのかなと思ったけど、いや…?今までもそれなりだな…?

 

 

第一部

今回のるひまトンデモ解釈は、明智光秀(平野さん)が本当の信長で、史実的な信長(安西さん)は信長の弟信行。明智左馬助(神永さん)は本物の明智光秀。という入れ替わりネタ。向いてない、と家督相続者の道を捨てた信長と、信長となり天下人を目指す信行の話。

全体通して、思ったより笑い少なめだった。いつも一幕で散々笑かしにきて二幕で泣かせる流れだと思っていたんだけど、割と一幕も真面目だったような。一番笑ったのパンの歌だわ。そして己の体調不良差し引いても、真面目な歴史ものは1回だとやっぱり難しい。浅井長政の援軍話とお市の立場に混乱した。

 

やっっっぱり安西慎太郎氏の狂気は格別ですなぁ。何度見ても好きだしゾクゾクしてしまう。狂気の高笑いが上手すぎる。しかし「うらら」の歌と相まって、アンジェリコ*1が過ぎってしまったのは私だけだろうか。シュールギャグな登場しがち。狂気と言えば辻本祐樹さんも最高なんだけど、また全然タイプが違うから凄い。安西氏は後天性狂気、辻本氏は先天性狂気がめちゃくちゃ上手いイメージ。

きりんが普通に可愛くて笑った。きりん、たかいとこ、こわいっ。加藤啓さんは、る年の富士山フォルムが可愛かったなぁという思い出なんだけど、もしかして啓さんって可愛い枠なの?ボコられるシーンは普通にキツかった。

それにしてもお市(凰稀かなめさん)が綺麗すぎた。「お喋りな長政様はもう、おられないのですから」からの演技の闇深さよ。

 

るひまはストレートと思いきや意外と歌うので今回も歌ってたけど、平野良さん、何気にストレートしか見てないからこんな歌上手いの知らなかった。(ママ僕でちょっとくらい歌ってたかもしれない) 「パンの歌」が本当に『パンの歌』ってタイトルなの笑った。*2 1幕終わりのメドレーへの既視感がすごいんだけどはっきりコレとも言いづらい……強いて言うならレミゼのOneDayMoreかな……。

 

印象的なのがラストシーンで、星空の下で肩を寄せ合う信長(光秀)と信行の美しい静寂の絵がとても良かった。個人的に、ラストの構図が一番印象に残ることって少ないんだよね。締めが良いのは後味良いね。

ところで、わたし武将は竹中半兵衛が一番好きなんですけど、本物どこいった?

 

 

 

第二部

オープニングアクトがアホすぎて泣いた。本物のソレじゃないのに、「目が足りない」って思わせるの何なの?しかも私この日の夜行バスで、本物を観るための遠征だったんですよね。現行公演校と被ってないからセーフと思いきや、ライバルズで跡部様も日吉くんも見てるせいでダブって笑い死んだ。安西さんがかなり声を"らしく"してて、「似てる」って思ってしまった。誰に似てるか分かんないけど。しかし、久しぶりにるひまちゃんのてにみゅパロが観られて良かったよ……てにみゅくんのこと、忘れちゃったのかと思った……(?) 

司会は安心安定の三上さん。ゲストが佐奈宏紀さんなんだけど↑の後に出てきたからずっとフシュフシュ言ってた。てにみゅのワンシーンやってくれたんだけど(???)、未だにしっかり台詞覚えてて感動してしまった。途中の「ブーメランスn」で三上さんに止められたけどこれ円盤でピーーになるのか、他のミュキャスゲスト回では何してたのか気になりますね。

 

ヘーアンセント、もう最後の一文字しか合ってないじゃん。でもこっちは「思ったより」元ネタより遠かった。「思ったより」、ですからね。原田さんと平野さん歌うま。概念帝劇。

エスブッダはもうダメなんですよ、スバるが。宣伝ビジュアルからずっとスバるの頭上に全視界を奪われてたせいで誰がいたかすら危うい。いやー…日本の車はダメでしょ…。

吉法師はとにかくハイヒール履かせたのが天才。そしてハイヒールだからか椅子ごと運ばれてるの無理。ダンスかっこよくて無理。

鬼MAX、円盤でバッサリ切られる悲しみ。何でやろうと思った!?

いろは坂は思い入れというかどうしてもたっきーさん思い出してしまうんですけど、特に言及されることなくわちゃわちゃしてて面白かった(雑) しかし何故だかもう一回観たいと思わせるパフォーマンスで、個人的に一番好きだった。

優勝はヘーアンだったけど、三上さんがマチネで間違えて「全グループ1回ずつ優勝してる」って言っちゃった帳尻合わせも含まれてるとどうしても思ってしまう。忘れられたヘーアン。

 

 

 

初日が30分押しで終わったのはゲストのさと兄のせいだとか思っててすみませんでした。2日目も30分押しでした。佐奈ちゃん思ったより暴れてた。

 

そういえば、るひまさんのおかげで滝口さんに最後のお手紙を出せました。どこかでるひまさんが、滝口さんへのプレゼント受け付けてますって言ってたと思うんだけど、ソースが探せず。プレボが人で分けられていないので入れてきちゃった。困らせてたらごめんなさい。本当にありがとう。ブロマイドも無事買えて良かった。

 

 

 

 

★★★

*1:TRUMPシリーズの「COCCON」を見て。

*2:https://ameblo.jp/le-fair/entry-12564780403.html

滝口幸広さんについて

 

2019.11.15

 

「ご報告」なんてタイトルのブログ、「ついに結婚か!?」と思いながらページを開くまでの数秒間。

あの数秒間の気持ちに、戻りたい。

 

 

2011年頃、初めて映像でテニミュに触れた時、沢山のキャストの中で一番滝口さんの大石が好きだな、と思いました。それから1stキャストで唯一、ゆるくゆるく、応援した俳優でした。
ハイスクール歌劇団男組、ぼくとしょ全作、タンブリングvol.4、work shop、カレーライフ、TARO URASHIMA、板垣塾、全部滝口さんがいたから行きました。「これたっきーさんいるから行きたいな」も「今度行く舞台、たっきーさんいるじゃんやったー」もありました。

 

推しではないはずなのに、2014年のデビュー10周年バースデーイベントの滝口レストランも行きました。

俳優本人が、ビュッフェの料理作るって。一人一人にスープを手渡してくれました。昼ゲストの大山真志さんと中村龍介さんとどつき合いながらワイワイしてた姿、ドリームジャンボ宝ぶねのぬらりひょんの歌を歌ったこと、最後のお見送りで前にいたファンの人のお話を真剣に聞いていた横顔を、よく覚えています。あの時のお見送りが、最初で最後の握手でした。

 

推しではないものの、当然のように行った明治座主演舞台の滝口炎上。こんなに深い愛の下、名付けられた作品タイトルはあるのでしょうか。
滝口炎上のとある1枚のブロマイドは、他のどの俳優よりも、どの作品の何よりも、世界で一番美しい写真だと本気で思っています。白背景で何の変哲もないのに、あれほど心惹かれるブロマイドはありません。

でも一度しか観ていないから、記憶が曖昧なんです。円盤は廃盤。でももう一度観たい。

 

推しではないけれど、戦国鍋のライブ、るひまの2部、見知った俳優さんが沢山舞台上にいても、よく目で追うのは滝口さんでした。
毎年のるひまの年末舞台では、なぜかよく位が高い役で、情報が出る度に真っ先に「今年もたっきーさんの役は位高いのか」をチェックしていました。出演しない可能性は考えていませんでした。いることが、当たり前でした。

 

推しではないのに、雑誌に滝口さんが載ってるページはちゃんと切りとって残していました。最推しと作品以外で切り抜きを残していたのは滝口さんだけでした。

11/13の夜、ふと、マガジンファイルを買いました。それなりに綺麗に本棚に収まっていたから、整理しようなんて一切思ってなかったのに。暇な時にファイリングしようと思ってたのに、寝る直前にどうしてもやりたくなって、日付線を越えた11/14の深夜1時からファイリング作業を始めました。数は多くないし、5年前と少し昔の雑誌だったけど、残していた滝口さんのページを見返して「やっぱ顔が良いな」と思いつつ。あの時もう、あなたはこの世にいなかったんですか。


推しではないけど顔ファンだからと、疲れた時には「滝口幸広」で画像検索して、何度も見た写真一覧を何度も眺めていました。

インスタを始めたことで、今まで時間割の名前でシンプルだったブログタイトルの一覧が文字だらけになって少し寂しかったけど、生存確認の機会が増えたことが嬉しかったです。インスタも最初は料理写真ばっかで、レシピ載せたりしてて、「らしいなぁ」と思ってました。半年経った頃から自撮りや自分が写った写真が増えて、嬉しかったです。

今日が、滝口幸広Instagram開設1周年です。

 

 

若手俳優、特にテニミュキャストから故人が出るなんて考えられなくて、何もかも私が死ぬ方が早いんじゃないかとすら思っていた。そして青春の舞台は地続きで、どこへ向かっても、いつかまた道は交わると。その機会はいつか来るのだと夢見てた。青学3代目会、大石会。テニミュだけじゃなくて、アワレンジャーとか、そういう幸せな縁の夢が沢山あった。それが叶わなくても、夢を見続けられるだけで幸せだった。どこかで生きてること、ただそれだけで良かった。
たっきーさんに惹かれたきっかけの大石秀一郎、生で見てないのに、歴代で一番好きな大石です。テニミュ1stキャストで一番好きです。ドリライ2018で、またテニミュの舞台に立ってくれてありがとう。1stを見られなかった私にとって、奇跡の瞬間でした。テニプリパーティーで大石くんを描いてお祝いしてくれてありがとう。年末のる変でテニミュパロやるんでしょう。安土学園レギュラーの大石みたいな役だったんでしょう。私はこの縁も、ずっと楽しみにしていたよ。

 

誰にも話したことないけど、「幸広」って良い名前だなとずっと思っていました。もし自分に子供ができたら名前の一候補にしたいと思うくらいに。

普段人の名前見てそんなこと考えないのにずっと強く思っていたのは、滝口幸広という好きな俳優が、「幸せを広める」人そのもので、"名は体を表す"という言葉にぴったり合致していたからなんだと。だから名前も良いな、好きだな、と思ったのかもしれない。

どうしてこんなに過去形を使うことが悲しいんだろう。

爽やか好青年の顔してるのに、口が悪いたっきーさんが好きです。アニキみたいな顔して、実際面倒見の良いたっきーさんが好きです。賢そうな顔して、ポンコツと弄られまくりででもやっぱり人として賢いたっきーさんが好きです。顔だけじゃなくて、中身まで大好きです。毎回舞台観に行ってないしテレビ録画してないしSNSチェックしてない所謂にわかだけど、今、訃報を見て俳優仲間やスタッフさんが語っている彼の人物像が、私の中の彼のイメージと寸分も変わらない。

 

ご報告のブログを見た時、血の気が引いた。嘘だと思ってしばらく涙は出なかったのに、平野良さんのブログを見た後から一時間以上涙が止まらなくて、寝て起きても夢じゃない。訃報の記事を何度も読み返したのに、まだ嘘だ夢だと思っている自分がいる。

 

推してないと思ってたけど、今初めて、確実に特別な俳優だったことに気が付いた。

まだ、お祈りができない。

 

 

 

 

https://ameblo.jp/takiguchi-sd/entry-12545404146.html

 

 

 

 

 

 

 

2019.11.19 追記

 

 


https://twitter.com/ren_official/status/1195298241102802944?s=21

https://twitter.com/ren_official/status/1195558197957804033?s=21

まず初めに。八神蓮さんがTwitterで滝口さんへのメッセージを集めて、ご遺族の方にお渡ししてくださるそうです。6000件を超えるメッセージを扱うなんて、どれだけ時間のかかることか…。そしてこのメッセージ数。言葉に出来ないものがあります。

 

 

 

17日に告別式があったそうですね。あらゆるニュース、トレンドになるほどのツイートの嵐を見続けてなお、私は訃報を実感できないままでした。物販代行してもらった鉄ライのブロマイド、まだ受け取っていないんですよね。ついこないだ出たばかりであなたから貰えるものがまだあるのに、おかしいな、というか。

これは笑い話なんですが、15日は仕事休みました。いや、行こうとはしてたんですが、朝起きてからまた涙が止まらなくて不審者すぎたの‪で諦めて上の記事書いてました。書きながらとんでもない悪寒はしていたのだけど、午後から行こうと電車に乗って直射日光に当たってなお悪寒が止まらず、ふと「私まで死ぬわけにはいかない」と思い出社を諦めました。普通に風邪をひきました。胸の圧迫感もあって私も思わぬところで死ぬのかもなと真面目に思いました。たっきーさんのおかげで若干「いのちだいじに」を覚えました。

 

真面目な話に戻ります。

 

私はたっきーさんが気になると思いつつ、鉄ミュスピンオフと鉄ライに結局行きませんでした。薄情と思われるでしょうが、行かない選択肢をしたことを後悔はしていません。当時の私には行けない理由があったからです。「推せる時に推せ」と言います。でもきっと、いくら会っても、いくら伝えても、キリがない。もしかしたら好きな人ほどそう思ってしまうのではないかと思います。満足と後悔の境目なんて、あるのでしょうか。

私が唯一後悔していることは、私が受けた思いと感謝のほとんどを、たっきーさん本人に伝えられなかったことです。

滝口炎上の頃に一度くらい手紙は書いたと思います。書いたと思う、というくらい曖昧で内容なんて覚えていない手紙。滝口炎上以降もたっきーさんからもらったものが沢山あるのに、そのほとんどを本人に伝えられませんでした。チケット代以上のものをもらっていたのに、金銭で返せなかった分を、私は溜め込んだまま返すことができませんでした。(上で散々で「推してない」と言っていた一番の理由がこれです。そしてこれはあくまでも、私の推し定義です。)

仮に伝えたところで、相手の為になっただろうとは微塵も思いません。自己満足とすら思います。ただ、0よりは1でありたかった。

 

先日書いたもの含めて、読み返すと自己中心的で、特に本当に推していた方々に失礼極まりない内容だなと思うばかりです。ご不快に思われたら申し訳ございません。ただ、これが滝口幸広さんという人に対して、おそらくこの時しか出せなかった、正直な思いでした。忌憚なき記録をお許しください。

 

 

 

 


たっきーさん。あなたの顔が世界で一番好きです。多分私の昭和顔好きの原点です。特におでこ出ててる髪型の時が最高に男前だなと思います。インスタ更新される度に本当にカッコイイなと思ってます。好みの顔を聞かれた時、テレビの有名人しか知らない人達に「誰?」と言われようとも、いつもあなたの画像を見せています。今年こそブレイクするといいですね。るひまの年末舞台ではあなたのブロマイドだけは毎回必ず買ってます。る変は12/29夜に行きます。元々28か29が行ける日だったのですが、あえて29夜公演をとった理由は、S席特典ブロマイドにあなたがいたからです。引くほど似合ってるなと思ったパイロットじゃなくて、麒麟ですけども。おまえ見てるの顔だけかよって感じですが、先日久しぶりに見たぼくとしょ2の智恵子抄でまた泣きました。あれは舞台好きな人全員一度は見てほしいくらい、本当に素晴らしかったです。何度も再放送されている戦国鍋、ヘアアーティスト毛利大好きでした。普段のたっきーさんからは想像もつかないようなつめっっったい演技、最高です。る戦では、トノケラという若手のキラキラユニットがあるにも関わらず、なぜかるひま古参随一の個性爆弾集団ギリギリーンに組み込まれてしまった井澤巧麻くんと仲良くしてくれてありがとうございます。初共演のはずなのに肩に手置いたり腕掴んだりやけに仲良さげな写真が多くて、きっと輪に入れるようにしてくれてたんだな、そういうところがたっきーさんだよなと嬉しかったです。インスタで9/7に上げていたエーステ動画で「でも今可愛いって言ったじゃないですか」と言われて一瞬眉を顰める仕草が好きすぎて、A3知らないのに30回は見ました。でも最後の一瞬の笑顔も大好きです。しかし滝口食堂なんて、楽屋にあんな豪華な差し入れできるの、あなたしかいませんよ。ファンに料理提供できる俳優もあなたしかいませんよ。イケメンで俳優できて料理できて麻雀できてそんで心までイケメンなんて、どれだけハイスペックなんですか。俳優辞めてもいくらでも生きる道あるじゃないですか。それでも俳優を続けてくれて、表舞台で笑顔を見せてくれてありがとうございます。いつも私たちに楽しいとか面白いとか嬉しいとか、そんな幸せな感情をくれてありがとうございます。

これは全部、私の中に溜め込んだままあなたに伝えられなかったことです。せめて、「滝口幸広という人は、こんなことを思わせる人間だったんだな」と将来たっきーさんを知らない誰かに知ってもらうために書き残しておきます。

 


たっきーさん。私はきっと年末のる変で「舞台上にいないのを見た時」、ようやくあなたの死を理解できると思います。

Twitterで見ました。る変の千秋楽が、四十九日だと。あんたすげーよ。これだけの人に想われてるのだから、極楽浄土に行けないはずがないじゃないですか。そしてあなたが極楽浄土に行けるなら、私は信じられずとも祈るしかないんです。

 


滝口幸広さん。これからもずっと大好きです。

ご冥福を、心よりお祈りいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.11.13 追記

 

 

 

一周忌です。

もう1年か、というよりまだ1年か、という思いです。何度、たっきーさんの死の事実を身に刻んだことやら。でも今後は「もう〇年か」と思うのだろうな、と思います。

この1年間、定期的にたっきーさんのことを思い出してました。故人のことを思い出すと、その人の周りに花が降るという話を聞いたことがあります。私たちはお墓に花は持っていけないから、天国にいつまでも沢山花が降っているといいなあ。

いまだに信じられない自分もいます。芸能人は特にそう。引退したとしても、私たちは会えない、姿が見られないのですから。だからたっきーさんも、ただの引退なんじゃないかと思ってしまう時もあります。いつかふらっと戻ってくるのではないかと。

2020年、大変ですよたっきーさん。大きく変わった今の世界で、仮にあなたが生きていたら何をしていたでしょうね。料理?麻雀?インスタでのレシピ投稿が増えていたかな?

今年いっぱいでON STAGEで配信されていた「滝口幸広のちょっとだらだら喋ろうよ」のアーカイブが消えるそうです。いくらデジタルであろうと、形あるものはいずれ無くなるものですね。きっと今まで発売されたDVDやBlu-rayディスクも、いつか見られなくなる時が来る。新しい写真が増えなくなっても、生きた証が見られなくなっても、やっぱりたっきーさんの顔が世界一好きだし、あの快活な笑顔は忘れられない。

もうこの記事は更新しないと思います。でも私が生きている限り、いつまでもあなたのことを覚えています。

沢山の想いをくれて、本当にありがとう。

 

 

 

 

 

 

ゲームしませんか?~荒野行動~

 

『ゲームしませんか?~荒野行動~』

2019.10.30-11.4  こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ

 

冴えないビジュアル系バンド『十二使徒』の解散で無為な毎日を送る斎藤ショウ。
バイト先で極悪レスラー堀 ヒデキと知りあったことで運命の歯車が回り始める。
恋愛に悩むアイドル女流棋士宮西ミーコ、中二病のこじらせ男子堀 ミキオ、パートに忙しいシングルマザーセツコ。
本来なら接点のない5人が、スマホを手にした時に世界は一変する。
銃声が響き、爆音が轟く、命が交錯する戦場に立つ仲間なのだ。
お互いの正体を知らぬままにプレイを続け、絆を深めていく5人であったが、やがてそれぞれに大きな転機やピンチが訪れる。
「荒野行動」を通じ繋がり、成長し、問題を解決しようとする5人の戦士たち。
交錯する複雑な人間関係の糸とゲームが織りなすコメディ人情劇!
友情、愛情、親子愛、崩壊と再生と戦略の果てに、彼らは幸福と栄光を掴みとれるのか!?

http://game-stage.jp

 

 

11.4夜  8列下手寄り

 

 

f:id:toMiharu:20200124155422j:image

 

 

なんというか、メンバーが異色でどんな経緯でこの企画立てられたのか気になって仕方ない。荒野行動がサブタイになってるからシリーズでやるのかな。

脚本の吹原さんは以前、PMCの「錆びつきジャック」で拝見してて面白かった記憶あるし、ほさかさんは幻想的なのが得意イメージあるけどうさぎレストランとか僕図書とかで見てるから、舞台オリジナルでも観劇前からだいぶ安心感はあった。

ちょくちょく転換にアンサンブルによる戦闘シーンが入るもののその転換も「あー着替えてんな」とか余計なこと感じさせない(普段は集中力切れると裏事情に思いを馳せてしまう)。中ダレがかなり少なくて驚いた。題材的にもハピエンだろうとは予想してたけど、予想通りでありながら着地点は分からないのも良かった。一発目の大会で優勝して終わりかと思ってた。

舞台セットは、ベースが上に登れる((結構高くて高所恐怖症はキツかったらしい(亀井さん談)))中抜け立方体で、布で遮蔽して映像投影したりくるくる回せたりと変化に富んでて面白い大道具だった。

ゲームの荒野行動そのもののチュートリアルもがっつりやってくれる。私は3D酔いが酷すぎて5分で終わってしまったけど、FPSやりたくなるね。

 

ゲームの話だからゲーマー全員、半分アバター衣装。ヒール格闘家の設定のヒデキ(久ヶ沢徹さん)がアバターをローズという女性キャラにしたせいでほぼ女装だったの笑う。

杉江さんには常々一生金髪でいてほしいと願ってしまうくらいには金髪似合うと思ってるんですけど、ショウのビジュアルが可愛すぎた。しかしくるくるパーマの金髪で銃を構える姿、すごい既視感。伊藤摩美さん手掛ける、バンド衣装のヒラみと私服のジャケットについたわしゃわしゃ合皮、既視感につぐ既視感。劇中で「しっかりしろー!!」ってセリフがあるんだけど、もうトリプル既視感。オリジナルキャラクターなんだからビジュアルいくらでもできたろうに、どうしてこの題材でこうなったのか?いや既視感元も多分オリジナルビジュアルだったし、いいんだけどね?この髪型めちゃくちゃ似合ってるし??いやあーーー、メサッ………。

バンメンのシンジ(前田隆太朗さん)も可愛い。すごく可愛い。実家に帰って漁業継ぐって、青森(前田さんの出身地)かと思ったらお父さんが南の方の方言だったね。そして宮下雄也氏は全ての笑いかっさらいすぎて流石としか言いようがない。役はどクズだけど。ギャンブルに金貸し、ダメ絶対。ここ二人がゲームアバター作ったらどんなのだったんだろう。

セツコことケンジサワダの美津乃あわさんは宣伝ビジュアルの100倍素敵だった。宝塚男役みたいやん。こういうチートおばさんになりたい。ナツミちゃんはパンとの子のくだりは人類が理解するには早すぎるシュールオブシュールギャグで、逆にどこで笑っていいか分からない。

あと、プロゲーマーのテツト(亀井有馬さん)がすごく良くて驚いた。ウザめのYouTuberの演技が上手い。わたし全然詳しくないのに、こういうYouTuberいそう…ってなった。なんというか顔面から実況してそうってなった。そしてめちゃくちゃウザイ演技が上手かった。ダークホースでしたね。

 

私が行ったのは千秋楽だったんだけど、カテコが非常に珍しい雰囲気だった。観客は男性比率高かったんですけど、男性…の特に普段アイドル現場の方々ですかね?そういうお客さんが多いからか、カテコの客側の盛り上げが上手い。普段あまり声張らないであろう女性がメイン顧客のメンズキャストも、強めの客からのリアクションになんだか嬉しそうにしてたから良かった。本当の父子と思われる男性客もいたりして、面白い雰囲気だったなぁ。

 

 

 

 

 

★★★